【Side story】煌く星の隂【代理学園】
水瀬
epA.瑠璃色の造花
# Ⅰ masquerade
「 」
華やかな歓声が響く。それは虹色に輝いて、“俺”を照らした。
眩しい光が乱反射して熱い視線に変わる。
ずっとこの景色に憧れていた。そう思いたかった。
胸が窮屈になるような気持ちも、これが最後だと思った。
後ろからも”俺”を呼ぶ声が聞こえる。
夢は叶ったのだろうか。俺は声の方向へ振り返る。
世界が180度変わった。そこで’’僕の夢’’は終わった。
✧ ✧ ✧
今日、「柊雨」というアイドルが卒業したそうだ。
あまり有名ではなかったが、ボクも噂くらいは耳にしたことがある。
いい噂も、悪い噂も。
学園に招待されるほどなのか?と疑問はあったが、上からの命令は絶対だ。
ボクは真っ白な学生証を持って目標の場所へ向かう。
「...まずは様子見か」
✧ ✧ ✧
「おはよう。目が覚めたんだね」
知らない天井と、目の前には幼い少女..?が立っている。
俺は「まさか」とは思ったけれど、目の前の人の顔を見たらそうゆうことではないとわかった。
「もしかして俺、倒れてましたか?」
俺は昔から耳が良かったから、あまり大きい音を聞くと気絶してしまうことも稀にある。
多分今いる場所も、どこかの病院で、目の前の少女は医者か看護師...といったところか。
「そうだね...それも人為的に」
少女は心配そうな目で俺を見つめる。しかし声には全く感情がこもっていない。
やはり、なにか俺を試しているのかもしれない...確かではないけどそんな気がした。
それよりも、人為的に倒れるとはどういうことだろうか...演出にそんなものはなかったはず。
「さ、、、 サプライズだったんですかね」
もうすでに俺の頭のなかに最悪の原因は見つかっている。
でもそれをハッキリと認めてしまうのはプロとしての意識が欠けていると思い、とぼけるように質問した。
「君はなにか誤解をしているみたいだね」
「現実を見ていないだけで、心当たりはあるんんじゃないかな」
心当たりと言われても...と思ったところ、急に頭に電撃が走ったような感覚がした。
「もし君が本当に何も覚えてないなら、無理矢理にでも思い出させてあげようか?」
___
…嫌だ……たすけて‥‥
___
嫌な声が聞こえる。助けを求める声だ。
「ッやめ…っ僕は!!」
___
‥なんで……ごめんなさいッ‥…‥
___
ずっと記憶から遠ざけていたのに
「やめてくださいッ。もう...やめたんですよ」
苦しい。あの時の記憶なんて耳すらも傾けたくない。
「あぁ、そう」
少女はつまらなさそうな表情を浮かべる
それと同時に先ほどまでの嫌な気分も収まった
「少しは思い出したみたいだね。じゃあまたいつか」
「あっ!あと、ボクは男・の・娘だからね!」
それから、少年は手を振って「手紙、要らなかったら捨てていいよ」とセリフを残して何処かへ行ってしまった
何故あの人間は僕の過去を知っていたのだろうか
思い出したくなくて僕ですらその記憶を何処かへ隠していたのに
「手紙...」
俺は手紙をそっと取り、慎重に中を確認する。
その中には、手のひらにすっぽりと収まるような大きさのカードが一枚入っている
真っ白な一面の真ん中に、「ぽつり。」と一文
”あなたの夢は?”
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