第24話 スター・トレイン
☆(荒木夕凪)サイド☆
学校に何時も通りに登校する。
それから私はいつも通りに教科書などを用意していると.....まっちゃんからメールが届いた。
そこには(ゆうちゃん。私.....どうしたら良いかな)という感じで文章が添えられている。
私は「?」を浮かべてから文章を読む。
そこには(実はね。今日.....朝の話なんだけど)という感じで始まっており説明がなされていた。
「まっちゃん.....」
そんな言葉を口に出しながら説明を全て読んだ。
それから私は(まっちゃんは何も悪くない。私としてはそれはどうしようも無いと思う。彼は.....デリケートだから)と書いてから送信した。
1分ぐらい経ってからまた返事があった。
(そうだね。まあ確かにデリケートだよね。だからこそ彼に少しだけでも寄り添っえたらなって思うの)とメッセージ。
「.....うーん。まっちゃんは.....もしかして?」
カンがそろそろリアルになりそうな気がする。
いや。何というかこれは.....そろそろじゃなくてずっと前からかもしれない。
まっちゃんは恐らく彼が好きなのだ。
そう思えてきた。
それはとてもおめでたい事だと思う。
「そうなるとまっちゃんの祈りが通じる様に配置しないと」
そんな言葉を発しながら私は柔和になる。
それから私は教科書を準備していると「佐藤さん」と声がした。
私は顔を上げるとそこに丸眼鏡をかけたおさげ髪の少女が。
「貴方は」と聞いてみると少女は「私は.....合唱部の.....か、勧誘です」と答えた。
そして「私は鈴木優実(すずきゆうみ)って言います。1年生です」と言ってきた。
「.....合唱部.....」
その様な事を呟くと鈴木さんは耳打ちをしてきた。
「もしかしてだけど貴方は荒木夕凪さんですか」という感じでだ。
私は愕然として鈴木さんを見る。
すると鈴木さんはこっそりと何かを差し出してくる。
それはライバルアイドルグループのスター・トレインという3人グループアイドルユニットの1人の.....SNSだった。
「.....まさか.....貴方は遠野陽(とおのよう).....!?」
「声が大きいですよ。.....その通りです。.....お久しぶりですね」
「.....」
当初は姉妹グループだったスター・トレイン。
だけど経営方針の転換の影響でマネージャーが仲たがいした。
そしてそこからスター・トレインは3人態勢で動き始めた。
私達が人気グループでテレビ出演とかを勝ち取る中。
彼女達が陰ながら影響力を伸ばしていた。
「何だか其方のリーダーは恋をしたみたいですね」
「.....それは違うけど」
「嘘ですね。アイドルが一途な恋愛ってそれはマズいと思いますが」
「.....貴方達には関係ない」
「関係有ります。大スキャンダルですね」
「.....」
まさか同じ学校に通っていたとは。
私は思いながら遠野さんを見る。
すると遠野さんはニコッとしてから「大丈夫ですよ。.....私達が貴方達の存在を無くしますから」と話す。
やはりそう出るか。
「.....私達の人気を舐めてもらったら困る」
「それはどうでしょうか。.....SNSとかエゴサーチしないのですか?今や私達の時代ですよ」
「.....」
「私は貴方がたが邪魔だったので丁度良かったです」
「.....」
少しだけ補足。
実はスター・トレインに金銭面を提供している会社として.....愛分社がある。
だから意地悪な事をしてくる。
全てを組んでバラされるのも時間の問題かもしれない。
このままではマズい気がする。
更に耳打ちしてくる遠野さん.....。
「.....私達の事をばらしたら貴方達の居場所も無くなると思う」
「無くなるでしょうか?私達はあくまで密告の様な事をじわじわとするつもりです」
「.....」
「貴方がたの存在があったから本当に話が進まなかったですが。.....トゥインクルスターのリーダーが(恋愛)という禁忌を破ってくれたお陰で助かりました」
「.....あくまでそれは噂の範囲」
「果たしてそうでしょうか?スクープは意外に身近で撮れるものです」
「.....」
「そうそう。この度、貴方を誘った理由ですが。.....此方は一生徒として貴方を誘っています。だから是非とも合唱部に入りませんか」と言ってくる遠野さん。
私は「お断りする」と言葉を発した。
状況が変わった気がする。
「.....そうですか。残念です」
「.....貴方はスター・トレインの中でも性格が悪いって噂。.....そんな事までして何が目的なの」
「私はただ単に貴方と仲良くしたいだけですよ。佐藤さん♪」
「.....私は断りたい。貴方達と仲良くしたらマネージャーが激高するし」
「そうですか」と残念がる様なそぶりを見せる遠野さん。
私は「もう帰って」と告げながら遠野さんを見る。
すると遠野さんは仮の姿に戻って演技をしてから「はい。じゃあ戻りますね」とそのまま去って行った。
その姿を見送ってから私は唇を噛む。
それから私は「こうなった以上は」とスマホを取り出した。
彼に相談してみよう。
お兄ちゃんに。
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