第11話「会話」
―朝起きると、廊下は騒がしかった。複数の人が歩き回っていて、話し声も聞こえた。
??「ところで、この部屋にはどんなやつがいるんだ?」
―誰かが、私の部屋の前でそういった。声からして、多分20代くらいの大人の女性だ。
少年:「昨日、僕がやっているときに、偶然見つけたんだ。」
「帰る家がないらしい。そのままにしていたら、獣に食われて死んでしまうと思って、連れてくることにしたんだ。」
「安心してくれ。ただの少女だ。襲ってきたりはしない。」
??:「そうか。まだ寝ているのか?」
少年:「ああ。疲れていたからな。」
??:「で、これからどうするんだ?ずっとここに居させるわけにもいかないだろ。」
少年:「そうだな。僕としては、この子も、僕たちの仲間になってほしいんだけどね。」
「この子は”僕と同じような運命”をたどってきたんだ。」
??:「そうだな。仲間が増えてくれるのは、うれしいことだ。」
「もしこの仕事に向いているようであれば、私はそれに賛成だ。」
―そんな話がされていると、別の誰かが言った。
??:「そろそろ行くぞー」
??:「はい!すみません。」
少年:「僕は、ここに残って、少女の世話をしていてもいいですか。」
??:「構わない。」
「あと、少女に、私たちの仕事について教えておいてくれ。葉山に知っておいた方がいいだろう。」
―そう言い、少年以外の人たちが、ぞろぞろと家から出ていく音が聞こえた。
少年はそういって、ため息をつき、しばらくの間、自分の部屋で休んでいた。そして、しばらくすると、私の部屋に、朝ご飯を持ってきてくれた。朝ご飯は、昨日の夕飯とは違い、今さっき調理したのか、とても暖かく、美味しかった。
―私が朝ご飯を食べ終わると、少年はそれを下げてくれた。
そして、少年は改まった顔をして言った。
少年:「いつまでも秘密にしているわけにもいかない。僕たちについて、伝えなければな。」
―私は、ごくりとつばを飲み込み、辺りには緊迫した空気が漂った。
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