第37話 離婚で得たもの、失ったもの。
離婚して何を得たかと言えば、先程の話と重複しますが、自由、時間を得たような気がします。
私がこうしてのんびり本を書いてられるのも、離婚して子供がいないからでしょう。
もし自分に家庭があり、妻や子供がいたら、週末は家族揃って旅行に出かけるでしょうし、食料の買い出しに行ったり、子供の教育に携わったりと、こんなに自由を満喫していることもなかったと思います。
また反対に離婚して失ったものもたくさんありました。
社会的な地位、信用。
お正月などに毎年訪れる寂寥感は半端ないです。
子供との絆がないこと(親とはありますが)。
跡取りがいなことも致命的なことのように思います。
第一、墓を造っても、それを守る人がいない。
それはそれで悩みの種です。
もし子供がいたならば、親戚が集まる席で子供たちの話題で盛りあがることもできたでしょうし。子供たちの成長に合わせた話題やスポーツの話で、もっと家族中、盛り上がれたと思います。
家庭を持った方がもちろん幸せですし、子供に恵まれた方が人生が数倍輝くことも事実として認めます。
すべてに満たされ、すべてを手に入れられれば、どんなに素敵なことでしょう。もちろん、最初からすべてのことに恵まれている人も、なかには、いるでしょう。
親の七光りで最初から人生の階段を4段も5段も高いところから歩める人も、なかには、いると思います。
けれどそんな人たちは、一部の選ばれし人たちだけです。
選ばれし民なんです。
離婚で得たもの、失ったもの。
両方をふるいにかけ天秤に乗せてみると、不思議と人生における大切なものだけが残り、左右の天秤で釣り合うようになる。
やはり苦労した数だけ、気休めかもしれませんが、神様が幸せをお与えなさるような気がします。
つらい、もう生きているのもつらい。
もしそう思うなら、それは次に訪れる幸せの幕開けだと思ってください。
つらいからといって人生から逃げちゃ駄目です。
死を選ぶなんてもっての他です。
これから訪れる幸せを手にすることなく、人生に幕をおろしてしまうなんてもったいなさすぎます。
夜明け前。
夜が明ける数十分前が、もっとも空の色が暗いといいます。
人生もそうです。
夜が明ける前だからこそ視界が暗く感じられるのです。
人生捨てたもんじゃないですよ。
あきらめるのはまだ早いです。
あがいて、もがいて。
どうしようもなくった、すぐその先に。
人生という小さな光を見い出すものなのかもしれません。
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