第35話 子供から学ぶ多くのこと。
子供を2人授かり。
結婚して2年で私は離婚した。
目に入れても痛くない子供と離ればなれになることは、血を吐くようなとてもつらい選択でした。
離婚後、1時期アル中みたいになり、休みの日は昼間から冷酒をあおっていました。
酒臭い息をまき散らし、スーパーに夕飯のおかずを買いに出かけ、夜は夜で自分の部屋でまた深酒をする。
その繰り返しでした。
子供たちと暮らした短い2年でしたが、時々、親が子供を育てているのか、親が子供に育てられているのか、わからなくなることがありました。
もし生涯独身を貫こうと思っている人がいるのなら、金銭的な面がクリアでき、精神的に許されるなら、一度は結婚し子供を授かるべきだと伝えたいです。
親が子供に教えられることは日々たくさんあって、親に抱っこされて眠ったこと、夜、深夜遅く寝小便対策で起こされたことなど、忘れていた記憶を思い出すのにも、とても役立ちました。
他人が自分の思うように振る舞わなくても、例え望んだとおりの結果に至らなくても、子供が生まれてからは余り腹が立たなくなったし、五体満足で生まれてきてくれたことに心から感謝したものです。
すべての人を自分の思い通りに動かし、自分と同じ考えを共有できればそれはそれで素敵なことかもしれません。
でもそうならないのが人生であり、苦難や誤解に見舞われることが多いのも現実です。
他人は自分と違って当たり前。
だから意見の相違、意見の衝突があっても腹を立てない。
いかに相手を認め、相手の意見を尊重し、そしていかに自分の考えを理解してもらうか。
人を許し。
罪を許し。
過ちを人間が犯すことを認め。
他人である隣人を受け入れることが大切であることを子供は教えてくれたような気がします。
自分に心のバリアがあれば、相手はそれ以上、踏み込んではこれない。
心地よい一定の距離が保てる反面、お互いの距離は一向に縮まらない。
相手を許し、相手を受け入れ。
そこから相手にも自分を認めてもらう。
結婚するまでの私は、とにかく人と意見の衝突することが多かった。
自分を曲げようとも思わなかったし、その必要もないと思っていました。
信じた道を貫き、時に相手をやり込め、相手を否定することで自分を優位に保とうとしていたようにも思う。
他人を認めなければ、当然、自分も理解はされない。
そんな当たり前のことに、20代の後半になってようやく気付くのでした。
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