第43話 「人を愛すること。そして永遠の愛を...君に」矢野湊音。

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そうして日記の最後のページを閉じる。近くにあるペンを手に取って、表紙に思い出の名前を書き込む。

「人を愛すること。そして永遠の愛を...君に」矢野湊音。

もう6年前か。

「湊音くーん。ご飯ー」

下の階から俺の名前を呼ぶ声がする。

「今行くー」

そう言って、階段を降りいつものテーブルに座る。

「いつもありがとうな。愛してるよ望月さん」

「どうしたの?急に」

「いや、言いたくなった」

「ふふ、おかしな湊音くん。それに、もう望月じゃなくて矢野でしょ」

「そうだったな」

俺と小雪にある薬指のダイヤモンドが、照明を反射してキラキラと輝く。

「これからもよろしくな。小雪」

「こちらこそよろしくお願いします」

「ふふ」

「あはは」

真面目に挨拶しておかしくて2人で笑う。

「食べよ。冷めちゃう。今日は、大事な日なんだから」

「だな」

今日は、8月31日。たくさんの思い出が詰まった俺たちにとってとても大切な日。

これは矢野湊音、矢野小雪、望月小雪、3人の愛のダイアリー。俺と、二人の小雪の物語はこれからもずっと続いていくんだ。


小雪、約束守れてるか?ずっと俺たちと一緒だ。


俺は、望月小雪を…愛しています。

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人を愛すること。そして永遠の愛を...君に 雨夜かなめ @amayokaname

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