第39話 水浴び

「そんな手記があったのか…やはり、意志が変わったのは最近のことなのだな。それにしても、なぜ我の出生を知っている者が?」


「それはわからなかったネ…多分内通者のせいだと思われマス。」


ファーミラに手記の内容を報告し、いざマリケスの元へ。

その前に、レドがあることに気づく。


「ジュディス、フードがついている服とか持ってないか?魔族だってバレたら、作戦はかなり厳しいぞ。」


「!! 忘れてたネ。レド、感謝するゾ。」


ジュディスは魔法を使い、出現した穴に手を突っ込む。


「あれ、どこ行ったネ…?ここにあるハズ…」


なかなか目当てのものが出てこないらしい。

穴に頭まで突っ込んで探している。


「…ジュディス、大丈夫か?」


見かねてレドが声をかける。


「バッチリのはずダネ……よし、見つけたヨ!」


…やっと見つけた様だ。

穴からスポッと頭を出して、フードつきマントを引っ張り出した。


「これで準備は万全ですね。早速勇者の元へ行きましょう!」


三人は魔王城からこっそり抜け出し、マリケスが残した住所へと向かった。


「…ジュディスの転送魔法は温存しておくか?作戦でかなるの魔力消費すると思うし…」


「その方がいいかもしれませんね!道中の暗殺を考えると使った方が…と思いますが、いざ作戦となったときに枯渇寸前。なんてことになりかねません。」


三人は常に警戒を怠らず歩き続けたが…


「あ~、もう駄目なのネ!」


集中力の糸が切れてしまったジュディス。

二人はまだ大丈夫だったが、疲労もあるので少し休むことに。

少し周囲を探索していると…


「姫様、レド!小さい湖があるヨ~!」


「休憩にもってこいですね!水浴びでもしますか。」


小さな湖を発見し、そこで束の間の休息を取った。

ジュディスとサヤが水浴びをしてリフレッシュしている間、レドはというと…


「周囲の警戒を怠らない様に、且つ薬草を探しながら…」


二人が水浴びをしているのを見る訳にもいかないので、自ら薬草採集の仕事を引き受けたのだ。

今は警戒しながら辺りを探索している。


「何かの足音がする…隠れて様子見るか。」


謎の足音を聞いたので、何なのかを確かめるため草に隠れ、辺りを見渡す。

すると…


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁあ!?」


湖の方向から叫び声がした。

勇者の剣を片手に、急いで引き返す。足音の主が向かっていたとしたら、かなりまずいことになる…


一体、二人に何があったのか…?

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