第37話 ざまぁ

「け…けけけ結婚ですって!?魔王様、頭を冷やしてくださいませ!そもそも、なぜジュディスと結婚など…」


「あいつはクビになったんだぜ!?」


「我と結婚することができるため…だろう?そうでないと、ジュディスを追い出す理由がないからな!」


魔王は、ジュディスをポンコツなどと思っていない。

自分に仕えてくれている魔法エリート。というイメージ。

ジュディスは真実という名の爆弾を投下することにした。


「魔王様、私はポンコツだとクビにされたノネ。」


「…どういうことだ?ジュディスは魂の番を連れてきてくれただろう?」


四天王は焦り出す。このままだと、自分たちの地位が危うい。

これから王妃になる者に嫌がらせをしていたと知られれば、何をされるかわかったものじゃない。


「私が姫様とのことを説明しようとしたら、門前払いくらったノネ。『ポンコツなだけじゃなく、そんな甘ったるい思考回路まで持ってたなんて、信じられない』って言われたヨ。」


「ジュディスの話すら聞かなかったのか?」


「…………………」


全員お通夜の顔をしている。


「共に闘う仲間ではないのか?貴公らが魔族至上主義ということは知っていたが…それとこれとは別だぞ。」


「魔王様、きっとジュディスは魂の番に言いくるめられて来たと、僕たちは考えております。本人に聞いてみては?」


「…まあ、事実確認は大事だからな。ジュディス、どうなのだ?」


ジュディスは、頭の中で内容を整理している。


(私は姫様がここに来ると信じて、守るためについていってたノネ?それで実は魔王様と結婚する気はないと…あれ、私騙されてたノカ??)


知らぬが仏。の効果が切れたようだ。

ジュディスはようやく、最初騙されていたことに気づいた。

そして、ここでそう伝えるとまずいことにも気づいた。


「ち…違うに決まってるノ!私は姫様をお守りしてたボディーガード!ここまで連れてきてたネ…それで人間の国の情報を聞き出したのと同時に、姫様にふか~く同情シタ!そのことを伝えようとしたら、門前払いくらったノネ…」


「ほら、ジュディスもこう言っておるだろう。貴公らの処罰は我が決める。いいな?」


「はいぃ…魔王様…仰せのままに…」


ジュディスに言い負けた悔しさ、それと自分たちの処罰のことで頭をいっぱいにしながら、四天王たちは部屋を出ていった。


「サヤ殿、レド、出てよいぞ。」


「了解…」


「身体中が痛いです~。」


二人はベッドの下から抜け出した。

そしてレドが尋ねる。


「ファーミラ、ジュディスと結婚するってどういうことだ?聞いてないんだが…」


かなり困惑している二人。

いきなり結婚すると言われたら、確かになるだろう。


「私たち、なんか結婚することになったノネ…私はまだ、ピンと来てないケド。」


「ファーミラさん、私のことは…」


「魂の番だからといって、縛るわけにもいかぬからな。もう気にしなくて良いぞ。それに魂の番ではなくても、我とジュディスならば国を繁栄に導けると信じてのことだ!」


「…ありがとう。魂の番の件が解決したことに伴い、話さないといけないことがあるんだ。勇者、マリケスとの作戦…そして、人間の国へ反逆を起こす。この2つを聞いてほしい。双方の国の和解にも繋がると思うぞ。」


四人で今後のこと、マリケスとの作戦を話し合った…

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