第16話 ドラゴン
「ドラゴンってどれくらいの大きさなんだ?」
「うーん…何と言ったらいいかわからないのですが…普通の木3個分位の高さはありますね。大きさといったらもっとでしょうか。」
「かなりデカイな…」
二人でドラゴンについて話していると…
「ドラゴンが街の半径300メートルに入りました!これ以上は…」
「よし、レド…頼む形になってすまないが、お前が頼りなんだ。この街を救ってくれ…!」
「もちろんだ。行ってくる…!」
そう言い残し、レドはドラゴンの元へと向かった…
サヤ「……………………」
サヤは自分が力になれない悔しさと、レドへの心配と戦っていた。
「そんなに心配すんなって!仲間なんだろ?必ず戻ってくる。俺の勘は当たるんだぜ!」
「ありがとうございます…でも、心配で…」
「あれがドラゴンか…想像以上にデカイな。スキルを信じるしかない!」
ドラゴンの元へ走る。
「グギャオオォオォォォォ!!」
巨大な咆哮を放ち、それと共に岩が飛んできた。
咆哮の振動によるものだろう…
「くそっ…まだ住民が…!」
「助けて…!」
急いで助けを求める人へ走るが…間に合わなかった…
駄目かと思われたその時…
キィィインッ
一瞬で岩が真っ二つになった。
「レド!早くドラゴンの元へ!ここは私たちに任せてください!」
「サヤ…ありがとう!住民は皆に任せた!」
サヤたちが駆けつけてくれたのだ。
住民を任せ、ドラゴンの元へ全速力で走る。
すると…
「痛い…苦しい…誰か止めてくれ…!」
脳に直接響くような声がした。
「ドラゴンの声なのか…?苦しんでいる…」
大声でドラゴンへ語りかける。
「ラグナロクを守るドラゴンよ!貴公の意志は通じた!どうすればいいか、教えてくれ!」
「人間よ…我の翼に、何かが刺さっておる…!それのせいかはわからないが、街へ向かってしまうのだ…!」
「翼…?ここからは届かない。よじ登るしか…」
しかし、近づこうとするもドラゴンは暴れているため、登るのは至難の業だ。
「レド!私なら上まで連れて行けます!」
後ろから聞き覚えのある声がした。
「サヤ!」
「私の手を握ってください!」
訳がわからないが、とりあえず手を握る。
「身体能力上昇…私のスキルの一つです!強く掴まってください!」
そう言うと、サヤは跳ぶ体制に入り…
「跳びますよ!!」
「跳ぶの…かぁぁぁぁぁぁああぁ!?」
二人はドラゴンの頭付近まで跳び、無事に着地できた。
「はぁ…はぁ…なんとかたどり着いたな…おぇ…」
高所恐怖症だったレドはかなり堪えたようだ。
「あ、高い所駄目でしたか…?すみません…って、そんなこと言ってる場合じゃないです!」
「ドラゴンは翼に何かが刺さっている。と言っていたんだ。どちらの翼か聞いてみないと…」
「右の翼だ!街まであと少し…まずいぞ!」
「わかった、今すぐ向かうからな!サヤ、少し手伝ってくれ。歩けないんだ…」
二人で手を取りながら、右の翼へと向かう。
しかし、ドラゴンはかなり暴れているため、しがみついているのがやっとだ。
「四つん這いで行きましょう。レド、私が後ろにいます!安心して進んでください!」
「マジで言ってるのか…?でもそれしか…くっ…行くぞ!」
恐怖と吐き気に襲われながらも、翼を這って移動する。
「あそこだ、何かが刺さっている…!」
なんとかそこまでたどり着き、二人でそれを引き抜く。
「これが正体なのでしょうか!?固い…!」
「もう少しだ!せぇ…の!!」
グジュッ…
抜けたものの、かなり深くまで刺さっていたため、血が吹き出た。
二人は抜けた反動で下に落下。
「レド!気をしっかり!」
「………………………」
意識が飛んでいるようだ。返事が無い。
「どうしましょう…このままじゃ…死…」
もう終わりかと思われたその時、正気に戻ったドラゴンが二人を受け止めた。
「救世主殿!大丈夫であるか…?」
「あ…ドラゴンさん、レドは意識を失っただけです!キャッチしてくれて、ありがとうございます!」
なんとか街を救った二人…ドラゴン暴走は、一体誰によって仕組まれたものなのだろうか…?
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