詩 『お孫さんへのうた』




お孫さん、お孫さん、お孫さん


輝いているよ 

喜んでいるよ

これは何かな? 

命だね


すくすく育っているよ

踊っているよ

これがそうだね

命なんだね


でも、お孫さん

お爺ちゃんの中にある光がなくなっていくよ

暗くなるよ

悲しくなるよ

どうしてなのかな?



お孫さん

お爺ちゃんはどうしても伝えなくてはいけないんだ


お孫さん

お爺ちゃんはお前たちに命を与え尽くしてしまって


お孫さん

もういなくなっちゃうんだと言うことを



アレ? 

お爺ちゃんが消えちゃった


悲しくなったよ

涙が出るよ

どうしてなのかな?


お爺ちゃんはね 

死んだんだ



お孫さん、お孫さん、お孫さん


お爺ちゃんはお前たちから離れて

一人でいなくなっちゃった


もう会えないよ

もう見つからないよ

どこへ行ったのかな?


ねぇ、お孫さん

まだ悲しんでいるのかい?

ねぇ、お孫さん

まだ涙が出るのかい?


でも

お爺ちゃんはね とっても嬉しいんだよ


だって

お前たちがこんなにも愛おしくて驚いているんだから


ゴメンね

実はお爺ちゃんはいなくなっていなかったんだ



ほら、お爺ちゃんはここにいるよ


一緒に笑っているよ

一緒に踊っているよ

一緒に生きているよ


お爺ちゃんはお前たちの命の中にいるんだよ





    :『うみねこお父さんの受難』にて

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