第4話 手術日決定

 そして手術予定の病院へ2度目の通院。

 土曜日と言うこともあり、前回よりもさらに混んでいた。


 1時間ほど待ってようやく名前が呼ばれる。

 待っていたのは前回とは別の医者。


 見たところおそらく60過ぎだろう。

 眼光鋭いナイスミドルという印象だ。



「あ~、月本さんね。紹介状見たよ。○○先生のところで診てもらったんだよね」


「あ、はい。そうです」


「レントゲンもあるけど、直接診させてね」


 テキパキと鼻の中を確認される。



「うん、こりゃ手術だね(あっさり)」


「まぁ、ですよね」


「じゃあいつやる?」


 おいおい、スゲー軽いな。

 こっちは初めての手術だってのに調子が狂うって言うか。



「術後3日間は仕事を休む必要があるって聞いたんで、できれば金曜がいいかなと」


「そう。じゃああとはスタッフと空いている日を確認して決めてもらえばいいから。次は手術ね。お大事に」


「は? え?」


 ちょ、終わり?

 さすがにもう少し質問させて欲しいんだけど。


 と思っていたら、看護師が次の人を呼び込んでいた。

 悶々としたまま、説明担当の看護師と共に診察室を後にする。



「なんか説明少なくないっスか?」


「すみません。土日は混んでいるので、どうしてもお一人にかけられる時間が限られちゃうんですよ」


 それは分かるが、こっちは初めての手術だし、次に来た時が手術って言われてんだから、執刀医に確認したいことは山ほどあるのに。


 信頼関係が全く築けていない医者に手術を任せるのは非常に不安なんだけどな……


 でもまぁ、もしかしたら、俺が気にし過ぎているだけで、あの医者は誰にでもあんな感じなのかもしれないし(たぶんその線が濃厚)。


 なら、ここまで来てしまった以上、先に進むしかない。

 と言うことで、いよいよ手術日の相談だ。



「月本さんは金曜日をご希望でしたっけ?」


「はいそうです」


「ん~、それだと一番早くて12月8日の金曜日ですね。どうします?」


「え? 結構先なんですね」


 ここで俺は逡巡してしまった。


 と言うのも、12月はカクヨムの年間最大イベント〈カクヨムコン〉が開催されている時期だったからだ。8日ならきっと大盛り上がりしているだろう。


 それに術後ダメージがどれくらい長引くのかも気になる。

 長編で参戦を予定していたが、あまり長引くようだと規定の文字数に届かない可能性も。


 他にも忘年会はきっと全キャンセルになるだろうし、何より年末進行で仕事も年間で最も忙しい時期だ。


 タイミングとしては決して良くはない。

 だが――



「わかりました。その日でお願いします」


 俺はまたも即決していた。


 その理由はただ一つ。

 年内にカタをつけてしまいたかったからだ。


 こうして手術日が決定。

 12月8日(金)の10:30に来院するようにとのこと。


 前回受けたアレルギー検査報告書をもらって、病院を後にした。

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