決して健康とは無縁な、つまりは

江戸川ばた散歩

つまりはそれだけ自分も歳食ったというわけだ

 本当に今年はミュージシャンの訃報が多い。

 と言うか、自分が過去に生で見てきた、と言う方が正しいか。


 つか、チバユウスケ一つ下だったか、と今さらのように思うんだよな。

 HEATHもだけど。BUCK-TICK櫻井敦司が一個上。

 まーなー、2~30年前のミュージシャンのこと思えばいつどうなってもおかしかねーよなあ、と思うのさ。


 でもまあ、ここはチバのことを書く。

 ワタシがTMGEのことを知ったのは名古屋の中京テレビの無料ライブの時だ。

 当時深夜番組でキスミスチックというのがあったわけよ。

 そこでまたキスミスライブ、というハガキで応募すると、当時まあ大きめのライブハウス、もしくは小さめホールのダイヤモンドホールで無料ライブをしたんだね。

 まあ太っ腹だ。

 当時は5月に野外とかもあったなあ。いい時代だ。

 で、ワタシはその時たしか、黒夢が出るってんでハガキを出したんだ。

 そしたらその時、何かえらく長い名前のよくわからんバンドから、あの音が出たんだよ。「世界の終わり」が。

 ワタシの守備範囲に無かったにも関わらず、アレは衝撃だった。

 もうすぐに当時の8インチシングル、謎のきぐるみ写真のジャケの奴を買ったよ。

 声と歌詞にやられたわけだ。

 ワタシはあーいう力を持った+含みのある声と歌詞を持つ奴ってのが好きでさ、たとえばZIGZOの高野哲。

 真っ直ぐなぎ倒しに、もしくは鷲づかみにしてくる声を持つ奴は生で見るべきでしょうと。

 で、カルトグラススターズも買って、まだ移転前の大須のELLの地下で最初で最後のぐちゃぐちゃになるライヴに参加したさー。

 移転前のエレクトリック・レディ・ランドは本当に「地下のライブハウス」でな。

 正直言って狭い。

 その中であの声だよ。

 しかもそれでいて、バランスが悪くない音。

 この、バランスってのが大事でさ。

 ライブ通いが20代後半から30代前半に集中していた奴としては、時には身体にくるわけだったんだよ。


 ワタシ的には「世界の終わり」が最初で、一番好きだった訳さ。

 あの「やって来る時を待ち焦がれている」がはまっていた、なかなかにまだまだ生きてるのが息苦しい時期だったからこそ。

 まあだからこそ、その後のTMGEは正直よくわからなくなったというのも事実。

 実際、行ったのはその一回だけだし、それは自分的には間違っていないと思う。


 で、まあそーいえばと思って、TMGE-ROSSO-The Birthdayを聞き比べてみたんだけど。

 ああ、これ確かに喉がもう疲れていたなあ、と思うわけさ。

 食道ガンって言われても何となく納得するような。

 イコール喉というわけではないけど、例えば喉頭ガンの場合、声がだんだん低くなるんだ。

 近しいよな、部位的には。

 基本の音がそーとー低くなっていて、ずっと離れていたからびっくりした。

 無論根本のとこが変わってる訳ではないけどさ。


 ロックの人達が短命ってのはある程度仕方ねえってのはある。

 そもそも若い時にフツーの人に比べて無茶しすぎてる。

 身体に悪いことしまくってる。

 特にあの辺りの時代はな。

 それこそ追いかけてる連中自体も同じくで、酒も煙草もあかんワタシは無理な部分があった。

 今のミュージシャンは売り方がまた変わってきてるからわからないけど、90年代ってのはまだまだ不健康な連中が多かった。


 こないだTLRSでステージにPATA氏が出たーって騒いでたけどさ、他の人々に対し彼の老け方が尋常じゃなかった訳よ。

 周囲が若作り系だから余計にさ。

 正直チバもそういう歳の取り方が見えた。普通より更に老け方が激しかった。

 同じくらいの歳だからこそ、それだけ老け込みが見えるってことは、それだけ疲れもしたんだなあと思う。

 そうそう人間も持ってるキャパは多くない。

 若い時あれだけ燃やした彼だ。

 そら、尽きるのも早くても、まあ仕方がないだろうと。

 同じくらいの歳で、セーブして生きてきたからこそ、そう思うわけだ。


 生き尽くしたなら、それはとても「らしい」こと。

 できるなら自分も、出すもの出し尽くした時に逝きたいもんだと思う。


 **************************************


 それにしてもYahoo!ニュースからの転載だけど


 >○1月

 YMO・高橋幸宏さん(享年70)

 シーナ&ロケッツ・鮎川誠さん(享年74)

 ○2月

 Hi-STANDARD・恒岡章さん(享年51)

 ○3月

 YMO・坂本龍一さん(享年71)

 ○10月

 谷村新司さん(享年74)←小学生のと機

 もんたよしのりさん(享年72)←小学生の時

 BUCK-TICK・櫻井敦司さん(享年57)

 ○11月

 X JAPAN・HEATHさん(享年55)

 大橋純子さん(享年73)←小学校の時に知った

 三浦徳子さん(享年75)←作詞家として

 KANさん(享年61)←愛は勝つは高校生の時だ


 ワタシの歳だと、全部自分の歴史と重なるからな。

 YMOも櫻井氏もHEATHもな。


 ともかく皆、R.I.P。

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