第6話Happy Merry Christmas
翌朝、健一のもとへ医師に変身したサンタクロースJー033は現れた。
「健一君、お母さんはいつから、こんな状態なんだい?」
「母は5年前に倒れて、段々と身体が不自由になり、2年前から寝たきりです」
「親類は?」
「母の両親はもう、亡くなって居ません。親戚も居ません」
サンタクロースは、
「そうか、これからこの薬を1錠ずつ飲ませなさい」
医師は、薬の入った大きな紙袋を渡した。そして、
「必ず、この薬で健一君のお母さんは元気になる」
「……ありがとうございます」
そう言って、医師は帰って行った。
健一は母親に、黄色い錠剤を飲ませた。
母親は、その薬を飲むと寝てしまった。まさか、この病気が薬で治るはずがない。
昼ご飯の準備をした。
健一はチャーハンを作り、寝たきりの母のもとへ行くと、
「……け、健一」
「えっ!」
「健一、いつもありがとう」
2年ぶりに健一は母親の声を聴いた。
サンタクロースはそれを見届けてから、ぎっくり腰の赤鼻を連れて、国へ戻った。
今回の収入は5000万円だった。段取りを頑張った赤鼻には500万円渡した。
健一の母親は、その半年後手を繋いで歩いて散歩出来るまで治り、予後も順調であった。
しまいには、家事をこなすようになり、健一は通信制の高校に進学した。
幸せが訪れたのである。
Happy Merry Christmas!
終
サンタクロース・ラプソディー2 羽弦トリス @September-0919
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