Hey!Guy!

@saba_kan22

第1話 Hey!Guy!

 僕は少し運動ができるぐらいのただの中学2年生。

いつもと変わらない授業を終え、延々と続く家への上り坂を上っていた。

なにか遠くで変な音がする。

(耳鳴りみたいな音だな…)

その時は僕は別に気にしもしなかった。

しかし、その音はだんだん近づいてくるようだった。

(なんの音だよこれ…)

僕は恐怖を覚えながらも歩みを止めることはなかった。

(音が止まった…本当に何だったんだよ…)

しかし、次は何やら声がする。

(あーもう!なんなんだよさっきから!)

だんだん声が大きくなっていく。


 あいつは僕の目の前に現れた。

「何だよ…あれ…」

ニコちゃんマークの顔を黒くし、体を付けて黒いパーカーを着せたような姿をしている。

右手には包丁を持っていて、歩くわけでもなく一枚絵がスライドしているように近づいてくる。


怖い。殺される。


 僕は来た道を全速力で戻ろうとしたが、体が動かない。

(やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい)

その時反対の歩道におじいさんが歩いているのを見てしまった。

僕は気をそらすつもりでおじいさんに指をさした。

あいつはおじいさんを見た。

 その瞬間、僕はおじいさんがなんともむごい姿で倒れている目の前に立っていた。

「…は?」

(死んでる…のか…?)

なぜか僕はおじいさんがいた歩道に移動している。

(僕が殺した…のか…?)

僕は気が動転していた。

おじいさんをほったらかしにし、家に全速力で帰った。


色々な感情や考えが僕の頭の中を渦巻いた。

だが一つ僕の頭の中で根拠も無いのに決定的なことがあった。


「僕は殺してない。」







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