お前が全ての元凶だ
藤崎 柚葉
先生、頼むからどうにかしてくれ
「お前、学校に何しに来たの?」
俺は前の席から配られたプリントを丸めて筒を作り、後ろで自分の机に突っ伏すクラスメイトの頭を叩いた。
三十分前、午後の授業の始まりを知らせるチャイムが鳴った。だが、俺の後ろの席にいるコイツは半日も寝ている。つまり、この光景は午前の授業からだ。そのくせちゃっかり昼休みには起きるから
同学年の中でも問題児筆頭のクラスメイトは、
「……早弁?」
「そんな訳あるか! お前はずっと寝ていただろ! 学生なら勉強しろ!」
「うるさいなあ。今は授業中だよ?」
「お前にだけは言われたくねーよ!」
つい大声を上げてしまった。
慌てて周りを見渡せば、他のクラスメイトたちから生温い笑顔を向けられていた。毎度のことながら、俺だけ問題児の世話を押し付けられて腹が立つ。
先生には同情されたのか、
あ、そういやコイツには教師泣かせの異名があった。……駄目だ。厄介事は全て俺に回される運命らしい。
「ちくしょう。前の席になったのが運の尽きか……」
「神様って残酷だよね」
「不本意だが、初めてお前と同意見だよ」
神様、俺は早急な席替えを所望します。
お前が全ての元凶だ 藤崎 柚葉 @yuzuha_huzisaki
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