第5話 モラハラ気質が見えた日

 女性に生まれると、ほぼほぼ毎月の生理(月経)に悩まされる。私の場合は毎度の出血量が多く、下腹部に激痛をともなう月経困難症に加え月経前症候群(PMS)も併発する。

 生理開始前に高確率で下痢をして頭痛が起き、生理が起これば大量出血でめまいを始めとする体調不良が起こるのだ。

 年齢を重ねるごとに症状は悪化しているが、病気と違って根本的な治療方法はない。婦人科に行き低用量ピルを試してみると、使用している期間は生理そのものが止まった。症状が起きないようにするには生理自体を止めるしかない。そんな状態だった。

 結婚を決めた時から私は将来的に子供が欲しかった。ピルを使っていると子供はできない。

 引っ越してから上記の症状に見舞われて寝込む私を、マザコン野郎はあまり気に留めていなかった。

 正確に言うと「大丈夫?」とだけ繰り返し尋ねてきた。夕食を代わりに作るだとか、そういった具体的な行動をするわけではなく、本当にただ声をかけるだけ。

 義務的な言い方にイライラした私は「大丈夫じゃないから寝込んでいる」「毎月のことだから対処は分かっている」と返した。

 マザコン野郎は何も言わずに去っていったが、後日、姑からネチネチと「気を使ったのにあんなことを言われて深く傷ついた」と伝えられた。

 こんなしょうもないことも直接言えないし、夫婦間の喧嘩も母親に垂れ流す男なのだと思うと失望した。この「やることなすこと姑に全部筒抜けの思考停止」が最悪の形で出てくるのは、そう遠くない日であった。

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