下巻【ターニングポイント】心の欠落した理由。

小学1年から小学5年までの間俺は、ずっといじめられていた。


無視されることは当たり前で、気持ちがられることが日常で、死ねといわれる事が俺の人生そのものだった。


俺は、気が付いたらその小学校にいた。

「ここは」

「そうです。ここは貴方のターニングポイントの一つ」

「あなたがあなたになった場所、時期です」


魔女のコスプレーヤーはそう言った。ターニングポイントとと名乗る少女は氷のような表情で、そういった。


「ほら始まりますよ」

そこには、新しく入ってきた担任の先生が入ってきた、最初の授業、国語の朗読の時間だった。


俺はたどたどしい朗読で、いつものように笑われていた


担任の先生がキレた。



「誰でも最初は失敗する、それをなぜ笑う?何がそんなにおかしいんだ?

お前らこいつをいじめているのは知っている、お前らこいつが今生きてるからいいがこいつが死んだらお前らどう責任を取るつもりだ?」



【ここだ、俺のターニングポイントだ】



「お前には、復讐する権利がある」

そう言って担任の先生が椅子を渡してきた。

「これを投げて、やれ戦え」

俺は投げなかった。

「お前が、こいつらの事をどう思っていても、こいつらはお前の事なんかなんとも思っていない、死のうが何しようがなんとも思っていない。」


「そんな奴らのためにお前は死ぬのか?」


一通り怒鳴ったあと、それまでいじめに参加していたクラスメイトたちが、誤ってきた。


「俺が人を信じれなくなった時だ…」

「そうですね。あなたはこれで人を信じることをやめましたね。」

「5年間いじめて笑ってきたやつが、たった一日で手のひら返しあぁ、人間てこんなに簡単に裏切ったり、できるんだ…」

「俺は死にたかったのに……こいつらは、担任に怒られて怖いから誤っているだけで、いい子ちゃんしたいだけなんだ…」


「悔しい腹が立つ、こいつら全員殺してやりたい…」


【ターニングポイント】


「君はここで、人を信じることをやめてしまった」

「人に興味を持つことも、真心も優しさも捨ててしまった。」

「君は君だけのために生きるようになってしまった」


「それが今の君を創っているんだよ」


「そうです。俺は人間が嫌いです、だから田舎で地元就職したし。」

「真心も気遣いも、できません…。」

俺は泣いていた

「人を信じることが怖いです……。」

「本当は死にたくて仕方がありません」

「俺はダメな人間です…」



ターニングポイントは何も言わず。

俺を抱きしめた。

「君は君を愛しなさい」

「君を愛することができれば人を愛することも出来ます。」

「君は生きてていいんですよ」


君が君を知り、愛することさえできれば、人生は自ずといい方向に進みます。

泣いてもいいんです。失敗してもいいんです。ただ歩き続けないさい。


君が死んだときに、君が君を誇れるように。

ターニングポイントは言う。


戦いなさい。


俺はいつしか商店街に戻っていた。

人ごみの少ない商店街に。


俺は、俺を愛せるだろうか?

性格を急に180°変えることなんて誰にもできない、でも5°くらいなら変えることはできるかもしれない。


戦いなさい。


その言葉が響く。俺は歩くことを決めた。

過去に振り回されていたことに気が付いた。


俺は傷つきたくなくて、自分の事ばかり考えていた。

楽な道なんて最初からなかった。



ならばせめて、俺が本当の意味で優しくなれるみちを歩もうゆっくりでいいから。

半歩でもいいから。人を許してやろう。


【ターニングポイント】彼にはもう私の姿は見えませんね。

それはいいことです、彼が変わった証拠ですから。


そこにはターニングポイントとと名乗る魔女がいた。

おとぎ話のように人の運命を変える力を持つ魔女が。


でも彼女は知っている、運命を変えるのは魔法ではない。

人の変わりたいと思う力なのだと。



ターニングポイントはまた旅に出る。

変わろうとする人の力になるために。


【ターニングポイント】第一部完

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

【ターニングポイント】 ミツルギ @hashibirokou913

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ