第7話 幻惑の熱

冷たい雨が降ったから、あなたの肌が恋しくなった。幻惑の熱に縛られた夜を忘れられない。逞しい体で搦め捕って朝まで逃してくれなかった。あの日も雨だった。強弱を交互に繰り返しながら一晩降り続けた。底冷えを吹き飛ばしたあの熱を、もう一度感じたい。雨脚を探るこの耳も、少しずつ爛れていった。

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