準備期間

第19話妖怪倶楽部

 次の日に伊邪那美と尊寿と良太で妖界へ向かった。

「妖怪ってどこにいるの?」

「ああ、こっちこっち」

 と、伊邪那美についていくこと10分。

「ここ」

 指を刺されたのは、妖怪倶楽部と書かれピンク色で光っている看板だった。

「わしも、初めてくるのう」

 と看板や外装を一通り見て、中に入る。

「おじゃま――」

「おーー、姉貴じゃねーか」

「姉貴?姉貴なのか!?」

「そうよ、わっちがみんなの姉貴の伊邪那美ですよ」

「「「「おーーーーー」」」

 と倶楽部全体で歓喜の声が上がる。

「それで姉貴、なんか頼みとかあるんすか」

「ああ、そのためにここに来たからな」

 と二人だけで会話を進めていた。

 妖怪には児啼爺こなきじじいぽい人や、傘化け《かさばけ》みたいな、良太でも知っている気がする妖怪がたくさんいた。

「おい、お前も姉貴の知り合いなんだろ」

「ま、まあそんなところです」

「だったら、俺らに何も気を使わなくていいからな」

「あ、ありがとうございます」

そんなことができるはずもなく、ただただ伊邪那美が話を終えるのを良太達は待っていた。



「終わったよ~、協力してくれるって」

「よかった」

そして、妖怪倶楽部の建物から出ていき、下界に戻る。

「戦力はそろってきたけど、これで勝てると思う? 良太」

「いや、多分無理、かな。このままだと、天照まで届かない」

「そうだな...後は神を数人仲間に引き入れたいな」

「わっちでどうなるか...」

それが、現状だった。




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