第13話天界2

 尊寿! どこにいるんだ?

 そう思いながら探していると、いた。

 ボロボロの姿の尊寿が。

「だ、大丈夫か!?」

「ああ、な、何とか...ごふっ」

 血まみれの尊寿を牢屋からだし、地上へ急いで向かう。

 社畜さん、大丈夫なのか?

 良太は、進んだ。



 地上では、社畜と大蜘蛛が激しく戦っていた。

「まぁまぁですね。前よりは強くなったんじゃないですか? 大蜘蛛さん」

「なめんなよぉぉぉぉ」

 怒りが爆発して、大蜘蛛の本気の力で社畜を殺しに行った。

「まぁ、でも。あの時と違ったことは...殺し合いってことですかね?」

 そして、社畜は妖力のこもった拳で大蜘蛛の腹を貫通させた。

「がはっ...くっそぉ。また...か」

「はい、『また』です」

 力尽きたように動かなくなった大蜘蛛の体を地面に捨てた。

「これで仕事は、片付きましたね」

 そこに、タイミングよく良太が現れる。

「だ、大丈夫だった?」

「はい、この通り」

 両手を開き体を良太に見せる。

「はぁ、よかったぁ」

 良太は安堵していた。

 全員が無事なことに。



 一人の秘書が近づく。

「天照さま、やつらが来ました」

「そうかぁ、お仕事ご苦労」

 不気味な笑みを浮かべ考える。

(さてと、どうしてやろうかなぁ?)

 少し経つと、部屋から出ていき外を目指して歩き出していた。



 尊寿が何か感づいたように空を見ていた。社畜も同じように。

「な、なにかいるの、か」

「はい、結構まずいですね」

「ああ、天照はやばい」

 良太も空を見ると、神の中でも比べ物にもないほどの光を発しているものがいた。

「愚民が、失せろ」

 その言葉が発せられた瞬間に良太3人に上から強い圧力がかかる。

「がぁっ」

 良太は、力にあらがえず地面に這いつくばる。

「尊寿か。久しいな。だが、もうお別れの時間だ」

 そして、さらに術を使おうとしていた天照の姿があった。

「仕方ない...あれを使いますかぁ!」

 張り詰めたような顔をしていた社畜が言う。

「盾神っ!」

「ほう、そこまで行けたのか」

 その術は、人よりもはるかにでかい大きさを持つ金色に光る盾だった。

「早くぅ! 行きますよぉぉぉぉぉ!」

 良太は尊寿を担いで走り出す。

 社畜も、良太達に比べると少し遅いスピードで走る。

「これは、お手上げ状態だな」

 天照は、その場を後にした。





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