第11話裏

 尊寿があの神につかまった。

「どうする...どうする」

現状知識など相手の情報がない俺はかなりピンチだ。

頼る人も現時点ではいない。

戦え...ない。

絶望という2文字が頭に浮かぶ。

(俺が...やらなきゃ...)

「あのー、大丈夫ですか?」

知らない声が前から聞こえてくる。

上を向くと、会社員のようにスーツを着ている霊がいた。

「誰、ですか?」

「あ、私? 私はね地界から送られてきたものです。名前は、社畜です」

おお、かわいそうな、名前だと良太は思う。

「よ、よろしく~社畜さん」

「あ、呼び捨てで大丈夫ですー」

「あ、はい」

なかなかコミ力高いじゃないか...

「なんか、尊寿さんが誘拐? みたいなことになったんでしょ?」

「はい、その...恥ずかしながら頼る人がいな...」

良太のセリフを遮るように社畜が言う。

「あなたをサポートするためにここに来たんですから、安心してください!」

と自信気に言われ、作戦を練ることにした。



 「尊寿さん。あんまりペラペラしゃべられても困るんですよ。」

この男は、大蜘蛛。スパイ部隊の幹部だ。

「そうか...そっちからくるか...」

「ん? なんですかぁ? なにかんがえてるんだよぉ!」

また、尊寿の顔を殴る。

「何教えたか早く吐けよぉ!」

大蜘蛛が尊寿に叫ぶ。

ここは、天界。

その地下だ。

「私はねぇ、スパイ部隊にいるんですよぉ? だから、あなたのこともつけてたり、情報収集してたんですよ?」

「くっそ、しくじったか...」

「いい加減吐けよぉ! 爺」

それが、永遠と繰り返されていた。



 社畜と作戦を練った。

「私...結構昇進してるんですよ...なので、天界に自由に行き来できるんですよ」

「おお、すごいな」

その、前提で話を進める。

社畜は地図を取り出す。

「これは、天界の地図。ここが、下界で言う刑務所だ。そして、ここには地下もある」

「そこの、刑務所の地下に尊寿がいるのか...」

「そうだ」

こいつ、いろいろ知っているなぁ。

良太が関心していると、さらに情報が流れてくる。

「蜘蛛の神...か。多分大蜘蛛か...」

「大...蜘蛛?」

「あいつは、スパイ部隊の幹部だ。だから、こいつはお前の顔も知っている」

「なるほど...俺行ける?」

「ああ、大丈夫だ。俺の妖術でな」

「お前...妖術も使えるのか?」

「ああ、まぁ...な」

そうして、手を上げて妖力を込めて、良太にあてる。

「変神」

そうすると、ピッカと良太の体が光りだし、瞬く間に姿が変わる。

「おお、すごい!」

そこには、社畜の姿になった良太がいた。

「これで、大体決まりましたね」

にやついた社畜がいた。








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る