第6話修行

その日から、京都の山の頂上で修行をした。

数日後。

「妖術を使うには、妖力の操作が必要だぞー。だから、腕や脚に妖力を入れて筋力や硬さを強化してみろー」

そんなことできるのか!?

良太は、やっと出来るようになった妖力操作を使ってみる。

「はああああ」

全身を駆け巡る妖力を必死に腕に集中させる。

その姿を見た、尊寿は口を開いて言ってきた。

「うーん、やっぱお前才能無い」

そんな、ムカつくことを言われてムキになった俺は、さらに集中力を上げる。

「ふああああああ」

声を荒々しくあげた結果、きた気がした。

「ねぇ、多分できたよ!」

尊寿に聞く。

尊寿は、まじまじと俺の腕を見て...

「うむ、微量だが妖力が入っているな」

声をあげて喜んだ。

そこから、さらにモチベーションが上がり、修行に励んだ。



そこは、静まった会議室だった。

「これより、神の集いを始める」

そこは、天界。神たちが集まり会議をしていた。

白狐も当然そこにいた。

司会は、人の形をしていた。

神は、動物より人の方が多かった。

「忘れもしないあの日に、尊寿は下界へ行きました」

わざとらしい泣く演技を見せる。

「白狐、彼らの様子は?」

「はい、目立った動きは無いようですが妖界へ行ったようです」

「そうか、報告ご苦労」

その後も、神の間の情報交換が行われた。


その後、神たちが外に出ていった後、司会の神は虎に尋ねた。

「黒虎。例の計画は」

「はい、進んでおります」

「そのまま進めてくれたまえ。失敗は許されない」

「はい」

その後、二人は別れた。

神の間で、新たな計画が始まっていた。



夏休みが一週間終わってしまった。

遊んだというわけでもなく、修行とやらに行かされた。

雨の日も風の日もだ。

「今日は、ついに妖術を使ってもらうー」

尊寿は、そんなことを言った。

「そうですか...」

「おっ、元気無いな良太!」

明るい声で話してくる。

「だって、まだ4時だからな...」

眠そうな声で言う。

なぜ、尊寿は朝なのにそんな元気なんだろうか?と疑問になってしまった。

その後、妖術の使い方を教えてもらった。

要約するとこうだ。

指に、妖力を込めて宙に印を書く。

それを、言葉と妖力を使って押し出すそうだ。

「わかったか?なら、やってみろー」

和紙に書いてある印を真似して宙に絵を描こうとする。

言われた通り、線を書けた。

そのまま、印を書いて呪文を唱える。

「天の恩恵を我が物にーー」

「獣霊召喚!!」

それと同時に、マークに妖力を流し込む。

「はああああああ」

その後、妖力を流すのをやめて周りを見る。

下には、小さな小さな犬がいた。

「クゥン」

鳴いた。

「は?」

想像していたのとあまりにもかけ離れいた。

「かわいいのぅ」

尊寿と犬は、同じ位の大きさだった。

「え~。これでいいの~」

もっと、でかいのを想像していた良太は、ガッカリてしまった。

「まぁ、まぁ、最初に比べたらすごい進歩だよ」

「いや、召喚した犬に顔なめられながら言われても...」

その後も、修行をしてある程度経って家に戻った。

でも、術が使えたのは少し嬉しかった。

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