第4話妖界2

 尊寿と共に温泉街へと足を運ぶ。

辺りは少し薄暗くなっていて周りに歩いている人も少なくなっていた。

「結構遠いんだね」

「後少しだ、わしも楽しみだわ~」

笑顔で言ってきた。


 言われた通り温泉街についた。

ここの雰囲気は、江戸だ。the 和!これこそ、日本!という感じだった。

「すご。雰囲気あるね」

「そうだろ、いい感じだろ」

何でお前が自慢気何だよ!

と言いたくなる。

 ここは、観光名所なのか霊が物凄く多い。

例えるとすれば、秋の清水寺だ。

「結構な数の温泉宿あるけど、どこいく?」

「うーん、正直なことを言うとポケットマネーがな~」

それ聞いた瞬間、良太は笑顔になり周りをみた。

「あそこ、あそこがいい!」

指を指した方向は、一番高そうな高級旅館だった。

「おま...死にたい??」

そんな感じのやり取りを繰り返し、日帰り温泉の宿をなんとか見つけられた。

「やっとついた」

「本当に長かったぞーい!」

テンションが上がっている良太に、尊寿は真剣な空気を出す。

「良太、後で話さなくちゃいけないことあるんだ」

「ど、どした!?」

「まぁ、後でだ!あーとーでー」

だから、温泉を楽しもうといって、聞き出そうとする俺を無視して強引に男湯に、入れられる。

まさか、霊と裸の付き合いをするとは...

嫌な顔をしていると、後ろからたくさんの霊が押し寄せてきた。それにより、強引に湯船に浸かった。

「けっこう、いいなぁ」

感想をこぼすと隣から話かれられた。

「もしかして、生きてる人間ですか?」

大きなひとつの目をもった霊が聞いてくる。

「あ、はい。そうです」

「いやぁ、生きている人なんて珍しいですから~。人生悔いなく生きてください」

そんな、熱い言葉をかけられた。

頑張んなくては!

その後は、のぼせるまで湯船に浸かった。


 帰りの電車に尊寿と一緒に向かった。

「それで、ずっと気になっていたんだが...話って、何だ?」

「ああ、今はなそうとしていた。」

暗い声で言う。

「お前、わしの気配強いと言ったよな」

「うん」

少し時間をおいて口を再度動かし始める。

「わし、神なんだ。」

衝撃的な、ことを言ってくる。

この、チビが神?

「あ、でも『元』神な」

「それで、何なんだよ。俺はお前が神ってことに実感がわかないぞ。元でもだ」

「心にダメージが!」

と下手くそな演技をしてくる。

「前、霊について例えを出して簡単に話したよな?」

「え、あ、うん」

「それ、嘘なんだ。わしは例外で、時代によって消えてしまう」

「え!?そうなの!?」

良太の中で衝撃が走る。

「神の力の無いわしは、無力だ」

「そうなの、か。でも、肝心のところを、まだ話してもらってないんだが?」

「今から話す」

尊寿は、申し訳なさそうな顔をして言った。

「わしの代わりに戦ってほしい」

尊寿が確かにそう言った。

「は?」

良太が間抜けな顔をして、そう言った。

「お前には、妖術師になってもらいたいんだ!」

「え?え?え?ちょっと待ってよ」

良太は、その連なる言葉に理解が追い付かなかった。

妖術師?何で?俺が?

良太は、疑問で頭が埋め尽くされる。

「わしは、多分これから神人狙われる」

「へー、すごいな」

「おーい! これはまじめな話なんだぞ!」

と言ってくる。

でも大体理解した。

俺は尊寿のボディーガードになれということだろ。

それで、俺はある契約をする。

尊寿を守る代わりに毎月お金を渡すというものだった。

しかし、なぜだろうか? この血が騒ぐというか...魂が騒ぐというか...

結果的には俺は、妖術師になることを決意した。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る