配下
東京に着くと、議会や自衛隊は出現したモンスターにやって全滅したらしい。つまり、未知の敵に蹂躙されているような状態だった。一部の地域は今も封鎖されており、その封鎖の範囲は日に日に広がっているそうだ。
蓮)これ勝てるのか?B級以上の人間が集結する都市がいまだに制圧されてないのはやばいんじゃないか?
鈴仙)えぇ、そうね。状況は芳しくないわ。
神楽)今いる戦力を用意しても20人にも満たない。もう少し、戦力を増やしてから制圧をした方がいいだろう。
蓮)確かにな。ちなみに今の政府の状態はどうなってる?
神楽)ほぼ自壊していく形で日本の政府は少数派しか残っていないみたいだ。この一日でかなりの人数が減ったようだが残党がいるみたいで、その中に1人S級の能力者がいるようだ。その他にもB級以上の人間だけで構成されているみたいだ。
蓮)装備を整えた状態の俺と鈴仙ならやらないことも無いが...もうめんどくさいから神楽の能力で破壊できないか?
神楽)いや周辺地域に影響が出るし、何より放射線で復旧が遅くなる。東京は重要だからあまり使いたくはないかな。
蓮)じゃあ、天下五剣のなんとかっていう刀はどうなんだ?なんか怪力がどうとかこうとか言ってたよな?
神楽)天下五剣?あぁ、童子切安綱のことか?あの刀にはまだ慣れてなくてな...必要以上の力が出て周辺がぐちゃぐちゃになるから却下する。
蓮)広範囲すぎて使い勝手が悪いなぁ...まぁ人手不足を解消しないことには何もできないから変わらないか...あーあ丁度良くそれなりに実績持ってる組織とか...いたじゃん!
鈴仙)まさかと思うけど...装加を連れ去ったヤクザを仲間にしたいとか...いや、逆にそれしかないか...てか取引って何を取引にしたの?あの女の子?
蓮)いやぁ、なんか相手も殺気だってたから人質交換じゃ満足してくれなさそうで...相手のトップ2とのタイマンにしちゃった。
鈴仙)はぁ!?あなた正気!?相手はヤクザのトップ2よ!素人のあなたじゃ無理に等しいじゃない。
蓮)だから鈴仙に任せたい。
鈴仙)もう!そんな気がしてたわよ!はぁ、それはわかったけど。その前に...私に言わないといけないことがあるんじゃないの?
蓮)あっ...そのえっと、すんませんしたぁぁ!
俺は鈴仙にデザートイーグルを返した。
鈴仙)正直でよろしい。それで私のベレッタはどうしたの?
蓮)いやぁ、それがベレッタと家に置いてあった電動の方と取り間違えちゃってさぁ...
鈴仙)それなら私が...あっ、これ本物だ。
蓮)おいー!!鈴仙が取り間違えてるじゃねぇか!そのせいで俺死にかけたんだからな!!
鈴仙)あはははー。じゃあお詫びに私の持ってる武器の中で2つあげるわ...それで許して...
蓮)じゃあデザートイーグル貰うぞ。あともう一つは...また考えておくよ。
鈴仙)そう分かったわ。あっ、もしよければカスタムもしてあげるからまた言って。
蓮)わかったよ。それじゃあ、今からあのイクメンパパに電話かけてくるよ。
俺はポケットからスマホを出して昨日の風道に電話をかける。すると1コールもしないうちに電話が繋がり、内心引いているが...取り乱さず受け応えた。
蓮)もしもし?風道か?
風道)あぁそうだ。何のようだ契離?
蓮)あれ?なんで俺の苗字を知って...
風道)深夜に電話をかけて来た時に言っただろ。俺はお前の事は知っていると...で?要件は?俺も忙しいんだよ...政府の奴らの対応はしなくちゃいけないのに、他の組からカチコミはかけられるし、娘は攫われるしで散々だよ全く...
蓮)そんなこと俺に愚痴られても困るんだが...はぁ、忙しいのは同情するが大事な話しだから真剣に聞いてくれ。
風道)はいはいわーった、わーった。
蓮)明日の深夜12時に東京スカイツリーにこれるか?
風道)明日か?明日は予定は...ないな。そこで殺しあうってのか?
蓮)YES。さらに、条件を一つ追加することにした。俺らが負けたら俺の仲間をくれてやる。だが、もし俺らが勝ったらお前らの組は俺の傘下になれ。
風道)はぁ?なんで藪から棒にそんな事を...まっ、面白そうだからその要求なんでもいいぜ。ただし、お前らが負けたら"お前のその首で仲間に償えよ"
俺は唾を飲み込みシャッキリとした声で返事をする。
蓮)ちなみにお前の娘さんはなんか俺に懐いちまってよ...ちょっと困ってるんだけど...
風道)んなこと言われてもどうしようもねぇよ。昨日の夜だって俺にあんな冷たい態度とってこなかった雪がよ...うぅ、うぐっ...ゆk
電話先で啜り泣くような声が聞こえた。俺は要件も伝えたし、どうしようもないので何か喋りかけていたが容赦なく切った。
蓮)とりあえず伝えることは伝えたし、大丈夫だよな?白羽組も大変そうだなぁ、政府の対応に他の組のカチコミの相手...そんな中に娘の雪乃を攫われるなんて気が気じゃないだろうな...
雪乃)蓮様ー♡
蓮)うっ!?その声は...まさか...
俺はゆっくり振り返るとそこにはなんの目の曇りもなく見つめる雪乃がいた。さらに俺に向かって走ってくる。
蓮)ひぃ!!やべぇやべぇ!!捕まったら何されるかわからない。俺はああいう女子の相手が1番嫌いなんだよぉぉぉぉ!!
俺はその日、雪乃に追いかけられ続けて隠れたりしていたが見つかり捕まり部屋で監視されたのはまた別のお話し。
《政府》
??)報告はどうなっている?
幹部)いえ...それが特殊部隊からはなんの報告も...
ドン!!机を殴る音が部屋に響く。
??)報告があるないじゃねぇんだよ。さらには契離の足取も取れていない...なんて様だ!
幹部)す、すみません!
??)貴様のような役立たずは出ていけ!!
そういうと部屋から幹部を追い出した。幹部の男は泣きそうな声で愚痴のようなものをこぼす。
幹部)チクショー...なんで俺がこんな、元々契離 蓮とかいう化け物を殺すのなんて無理なんだよ。4つも能力を保有していて、しかもほぼ不死のような能力や闇を操る能力なんて、対策のしようが...
そんな風に1人で呟いているとさっきまでいた部屋の扉が開いた。
幹部)へ?
幹部の男は部屋から出てきた触手のようなもので連れ戻された。
幹部)ひっ!!こ、殺さないでください!命だけは!!
??)私の能力で君のことなんてバレバレなんだよ。で?対策のしようが...なんだって?続きを言えよ。
幹部)そ、それは!!違うんです!!言葉のあやというか。
??)そうか!なら"死ぬしかないな"
その言葉の直後に部屋からは男の叫び声と鈍く潰れるような音が響いた。
??)私は時が来るその時まで待っているよ。お姉ちゃん...
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