黒い軌跡

俺は跪いて口と目から大量の血を吹き出し意識が朦朧とし始めた。


蓮)アザトースに反動があると聞いていたがここまでとはな...クソッ、判断を誤ったか...


俺は血液が不足して倒れそうになるが、目を細めてなんとか意識を保っていると、黒百合に俺の血が引き寄せられていっているのが見えた。俺は試しに黒百合に血を触れさせた。すると血がシミすら残さず消えた。


蓮)まさか、吸血系の刀なのか?とりあえず血を与えてみるか?


俺は黒百合に吐血したときの血と血涙を与えた。またしても血を吸いこみ、跡形もなく消えた。俺は持ってきた死体の血を吸わせると死体の体はミイラのように干からびていった。


蓮)俺の血限定と言うわけじゃないのか。だけど、吸血するだけってのは能力にしてはしょぼすぎるな...


俺は肩を落としたが、体が元に戻っていることに気がついた。


蓮)ん?体調が良くなっている?貧血だと思っていたが...何故だ?


神無刀架紅には今リリスの魂が入っていると言う話しはアザトースから聞いた。さらに元々は俺の体がリリスの物だったと言う事も伺っているが、まさか?今の神無刀架紅...いや黒百合と俺の体は一心同体ってことなのか?刀で受けた傷などが俺にも反映されるのか?

まだまだ分からないけど...とりあえず使ってみるか。


蓮)よし、やるか。


時刻は夜11時になっている。俺は外をずっと監視していた。すると、外には4人の人影らしき物が現れた。


予備部隊隊員A)実行部隊どこに消えたんだ?報告すらないし、別働隊とも連絡が取れない。とりあえず俺らがきたわけだが、血痕すら見当たらねぇな。


予備部隊隊長)妙だな、警戒した方が良さそうだな。散会して、何かあったらすぐに声をあげるか、無線で伝えてくれ。


予備部隊隊員B)了解したっすよ。


予備部隊隊員C)了解しやした。


俺は全員が家の中に入るのを確認すると、1人が部屋に入ってくると同時に黒百合の能力使用した。すると首を引っこ抜いた。首には脊髄の破片と肉片がくっついていた。俺はそれを持ち窓から玄関に降りて勢いよく扉を閉めた。案の定相手が近づいてきたので俺は能力を使用して扉を開かないようにした。俺は庭の窓に移動して角待ちをすることにした。


予備部隊隊員C)くそっ!開かねぇ!!


予備部隊隊員A)どけ!!


隊員が仲間を突き飛ばし、扉から引き剥がすと持っていた銃を乱射した。


ドガガガガガガガガ!!


マガジン内の弾丸は尽き、玄関の床には排薬莢が散らばっていた。しかし、扉は開くことがなく、隊長は臨機応変に庭から外に出ようと窓の外を確認し角を曲がった直後だった。空気を切り裂くかのような銃声が家の中を駆け巡り、1秒にもまたない時間で角から隊長が額から血を流して倒れた。


予備部隊隊員C)嘘だろ?隊...長?


予備部隊隊員A)くそっ!開けってんだよちくしょー!!


2人はパニック陥り必死に扉を開けようとするがびくともしなかった。すると、窓の方から歩く音が聞こえた。


コツ...コツ...コツ...コツ・・・


徐々に足音は近づいて俺らの目の前に立った。


予備部隊隊員C)そ、そうだ!そういえばもう1人の野郎はどこ行った!そいつに奇襲をかけてもら...え...ば...え?


呆然と眺めるしかなかった光景にある部位に目が行った。それは男の左手だ。左手にはさっきまで談笑していたはずの隊員の首を掴んでいたからだ。首からは脊髄だろうか?骨のような物に肉片がくっついていた。もう1人の仲間は発狂して男に銃を負けるが、扉を撃った時にマガジンが尽きてしまったようだ。リロードをしようとするが男は右手の銃でもう1人の眉間を貫いた。


予備部隊隊員A)あっ...あっ...カハッ。


仲間は言葉にするならない声を発して体を時々体をビクンビクンとさせてやがて動きが止まった。


男)なぁ、あんた。


予備部隊隊員C)は、はい。なんでしょうか...


男)少し、話さないか?


予備部隊隊員C)話します。


ダメだ。返答を間違えたら殺される!慎重にいかないと...


男)交互に質問し合おう。思いつかなかったら最悪質問でなくてもいい。


予備部隊隊員C)は、はい...わかりました。


男)まずは君たちは何者だ?誰の差し金でここに来たか教えて欲しい。


予備部隊隊員C)こ、ここには政府の上層部や幹部たちが会議した結果、我々特殊活動部隊のチームが結成されました...1番の要因はボスが関係してると思いますが、誰かまでは分かりません...


男)そうか...次は君の番だ。


予備部隊隊員C)で、では。あなたの名前と能力の名前教えてください。


男)俺は契離 蓮だ。能力は闇を操る感じのやつと創造と復活だ。簡単に説明しただけだがな。


予備部隊隊員C)わかりました...ありがとうございます・・・


あの契離 蓮なのか!?能力的にもアンチアビリティシステムが効かないはずがないのに何故か機能しない...なんなんだよあの化け物は...


蓮?)では、質問です。あなたの住んでいた場所はどこですか?


予備部隊隊員C)え?えっと...


蓮?)あなたに家族はいましたか?


予備部隊隊員C)あの、ちょっと待っt


蓮?)あなたの血液型はなんですか?あなたは今何歳ですか?信仰している宗教はありますか?好きな人はいますか?何か分かることはありますか?


予備部隊隊員C)あっ、え?は?


蓮)失礼しました。質問を変えましょう。あなたは今日ここに泊まって行きますか?他の皆さんはここに泊まっていくみたいですよ。あなたの哀れなお仲間さんたちも...


そういうと天井から装備を着た隊員たちの死体が降ってきた。


予備部隊隊員C)い、嫌だ!死にたくない!


蓮と名乗る男は左手に持ってたいた首を離すと手に黒い折れた刀を出現させ、俺に振りかぶった。


予備部隊隊員C)死んでたまるかぁぁぁ!!!


俺は必死銃を撃ち対抗する。蓮と名乗る男は咄嗟に右手で銃弾を防ぐような体勢をとるが手や腕を貫通し、胸部や頭部に当たった。その場で血を流して倒れ俺は安堵し、その場に座り込む。


蓮?)なぁ...さっきアンチアビリティシステムが効かなくて焦ってただろうから教えてあげるけど...


男はゆっくりとその場から立った。すると左手から炎ような物が現れた。右手は紅い槍のような物が手から腕にかけて骨を無視して生えていた。


予備部隊隊員C)そんな!


俺はすかさず照準を合わせるがそこには蓮の姿はなく。目の前には燃え盛る左手が俺の首を捉えていた。


予備部隊隊員C)ガハッ!!アヅイ!!

バナゼ!!


蓮?)冥土の土産話にするといいさ。俺の持ってるこの黒い刀は神の武器だ。能力を消すシステムを作ろうがどんなに封じようが人間の力じゃ無理なんだよ。ついでに話すとこの武器の持ち主は相当な魔法使いでな。俺も今日初めて使ったんだが、使い勝手が良くて感動しちまったよ。んじゃあ、そろそろ死のうか?


俺は隊員の首を掴んで持ち上げて左手の炎を爆発させて隊員の全身が燃え上がる。それを俺が右手で隊員の頭を持つと熱さと火傷で苦しそうにもがき声をあげるがそのまま右手に刺さっている槍のような物を発射させた。


蓮)バーンアップからの...ブラッドパイルバンカー!!


隊員の頭は跡形もなく消し飛んだ。


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