誘拐と強奪
蓮)ここが、白羽組かぁ。
俺はチンピラ達に教えられた白羽組というヤクザ組織に来た。そこには和風の屋敷があり、theヤクザのような建物だった。門の前に2人門番がいた。
門番A)あん?兄ちゃん何のようだい?今、組は忙しいんだ。用がねぇなら帰れ。
と軽くあしらわれてしまった。生身だし、少し武装を整えるか。俺は家に帰り、鈴仙に相談した。
蓮)鈴仙。ナイフみたいなの持ってないか?
鈴仙)えぇ、持ってるけど何かに必要なの?
蓮)まぁ、ちょっとね。
鈴仙)はぁ、また隠し事ね。私もついていくわ。
鈴仙はそういうと2分ほどで服を着替えてきた。戦闘用だろうか?無駄なものが無くとても軽そうだ。
鈴仙)私はいつでも行けるけど蓮はどう?
蓮)もちろん行けるよ。すまないが援護よろしく。
鈴仙)まぁ、あんまり期待はしないでね。
俺と鈴仙はさっきと同じ屋敷に向かった。
門番B)なんだ。さっきの兄ちゃんかい。ったく最終警告だぞ。こんなところにカタギの人間がくるんじゃねぇ、帰れ!
俺と鈴仙は足を止める事なく近く。すると2人の門番は臨戦体制に入った。
門番A)どっかの組の差し金か?ガキだからって容赦はしねぇぞ。
2人はほぼ同時に殴りかかってくるが、難なく躱して膝蹴りを喰らわす。鈴仙は男の股間を蹴り飛ばしていた。うわぁ、痛そう。俺がそう思うくらい蹴られた男はうずくまっていた。
門番A)何だよこのガキども。ありえないくらいつえぇ。ダメだ意識が...
その言葉と共に男の意識が途絶えた。
蓮)よし、入るか。ここのトップならなんか知ってるかもしれない。チンピラ共の情報によると表は善良で一般の人達に優しいように振る舞っているが、裏では薬物や人身売買などをしてるって言う噂がある。さらにここの組織は政府に寄付をしてるとかって話しもある。
鈴仙)で、それが何と関係してるの?
蓮)まだ話してなかったな。強矢の妹の装加が誘拐されたみたいでな。手当たり次第探した結果ここにたどり着いたってわけ。
鈴仙) はぁ、もっと安全な方法はないわけ?
蓮)安全な方法って言われてもなぁ...時間がないから手当たり次第探してるだけなんだけど。手荒な真似は今回で終わりにするから。
鈴仙はため息をつき了解と一言だけ言った。
蓮)とりあえず、手がかりを...
俺が鈴仙に指示を出そうとしていると銃弾が飛んできた。咄嗟に俺と鈴仙は屋敷の小部屋に入る。
蓮)どこから撃たれた?
鈴仙)分からない。気をつけて近づいて来るかもしれない。
俺は部屋からそっと顔を出して様子を確認すると廊下で拳銃を持った少女がいた。年齢は15歳くらいだ。
少女)出てこいよ!あんたらが侵入してることは耳に入ってるのよ。あの使えないチンピラ共が情報を喋ったことを教えてくれたの。ここまで来たのに残念だったわね!私のパパがあんたみたいな雑魚、殺してやるそうよ!
そういうと少女の高笑いが廊下に響き渡る。それより、あいつの親がヤクザってのは確定した。つまり、あいつは俺らに取って交渉に使える絶好のカモってわけだ。
俺はニヤリと笑うと鈴仙に作戦を伝えた。
蓮)俺がとりあえずここから出てあいつに近寄って口と銃を塞ぐから鈴仙はそのまま武器かなんか使って気絶か眠らせるかしてくれ。
鈴仙)気絶か眠らせるかって蓮あなたねぇ、そんなこと簡単にできたらやってるわよ。
蓮)え?首をトンってしたら気絶するんじゃないの?
鈴仙)んなわけないでしょうが!
そんな会話をしていると少女がイラついた様子で警告する。
少女)お前らいい加減にしなさいよ!早く出てこいって言ってんだろ!!撃つぞごらぁ!!
怖すぎだろ...親がヤクザってのはいいけど教育くらいはしっかりしろよ!少女とは思えない口の悪さしてるぞおい。まぁ、とりあえず行きますか。
蓮)分かった分かった、今出るから銃はおろしてくれ。
俺はそういうと手を上げたまま小部屋から出た。
蓮)ほら、投降するから。
少女)もう1人も出てこい!
俺は鈴仙にアイコンタクトを取り鈴仙が頷くと同時に廊下を走り少女との距離を詰める。
少女)なっ!このクソ野郎が死ねぇ!!
少女はそういい放つと俺に銃の引き金を引いた。
バン!!
廊下の壁を蹴り躱わす。少女は反動でまだ照準が定まっていない。俺はすかさず拳銃のスライドを握り撃たなくすると少女は今度はドスのような物を出して来た。しかし、俺は鈴仙との格闘訓練で覚えた相手の動きのパターン化していたことで予め動きを構築していた。
少女)今度こそ死ね!
少女は突き刺そうとするが俺の服をかすめるが俺は少女の腕を掴み、口を塞ぐ。
少女)なっ!ふざけんじゃ...ムグッ!!
離れたところから観察していた。そして、少女を抑えると小部屋から出てきた。
鈴仙)なかなかやるじゃない。動きに無駄が無かったわよ。これからも継続して訓練していくわよ。
蓮)おう。んじゃ、とりあえず家に戻るぞ。
俺と鈴仙は屋敷を飛び出し、鈴仙の影から軍事用のジープ車を出してそれに乗った。もちろん少女は抵抗したためジープの後部座席に放り投げた。
蓮)てか、運転できんの?
鈴仙)ジープくらいできて当然よ。こちとら戦車と戦闘機の使い方覚えてるくらいなんだから!
蓮)そうかもしれないけど事故だけはしてほしくないね。かと言ってスピードは落とすなよ。
鈴仙)もう、どっちなのよ。でも、スピードを出すのを優先するわよ。
鈴仙はジープにエンジンをかけてアクセルを全開まで踏んだ。すると体は背もたれに一気に押し込まれた。
蓮)いきなりかよ!とりあえずこのまま東京まで...はっ!そうだ忘れ物したから俺は家戻らないと。
鈴仙は俺の家にジープを走らせ、降りると鈴仙に先に行くように伝えた。
蓮)先に鈴仙は東京に行っててくれ。場所は...神楽に聞いて。ほらスマホ!
俺は鈴仙にスマホを投げ渡し、暗証番号を伝えた。
鈴仙)でも、蓮はどうするの!?
蓮)俺はバイクがある大丈夫だ。運転なら問題ない。すぐ行く。先に待っててくれ。
鈴仙)えぇ、分かったわ。じゃあ後で、必ず生きてね。
蓮)あぁ、生きてやるよ。
俺は家に戻り綺の部屋に入った。俺は必死に探すが見つからず、俺の部屋や家の中をくまなく探していると時間は過ぎていき、時刻は6時半過ぎになっていた。
蓮)まずい、いくらなんでもこんだけ時間が経つとヤクザの組織だって気づいてるだろうし、もっと急がなきゃ。
俺が必死に探すが、夜は更けていく一方だった。
蓮)クソっ!どこにあるんだ!?諦めるしか...
と、綺の部屋で膝をつき俯いていると、ふとタンスの隙間を見た。そこにお目当ての物があった。俺はすぐにどかして、タンスの間から一つのペンダントを取り出した。
このペンダントは俺の高校入学祝いで綺が買ってくれた物だ。実質形見である。
蓮)良かったぁ〜。これで皆んなに合流できる。急いで準備しなきゃ間に合わない!
俺は急いで着替え、ライダースーツを着ようとしたところだった。
ピーンポーン
そうインターホンが鳴り、画面を見ると配達員さんだった。俺は安堵して玄関扉を開ける。
蓮)こんな時間にご苦労様...
ドドドドドドドン!!!
俺は無数の銃弾を浴び、玄関で血を流し倒れた。
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