疲労感
蓮)疲れたぁ。
俺は大量のXと謎のモンスターの出現に戸惑いつつも、もう一つの能力、闇を司る能力を使用してその危機を脱した。だが、能力の反動により、体の疲労は限界を超えていた。
鈴仙)蓮、本当に大丈夫なの?すごい、顔色悪いし、休んだ方がいいんじゃない?
強矢)鈴仙の言う通りだ。家事とかは俺たちがやっておくから今日はもう休め。
蓮)すまない...本当に情けないな...
鈴仙)そんな事ない。あんな大軍をやっただけでも凄いんだから。
蓮)ありがとう...今はゆっくり休む...よ...
そして俺は深い眠りについた。俺は久しぶりに夢を見た。目の前には大量の死体と綺と鈴仙、神楽がそれぞれ地に伏して事切れていた。そんな光景を見て正気ではいられるわけがなく泣き叫んだ。俺は後ろから視線を感じ振り返ると斧を振りかぶっている強矢がいた。
蓮)強矢...
続けて言葉を発しようとしたところで俺は斧で頭を割られた。グチャッという血肉が飛び散る音を聞くと共に俺は意識を失うと同時に目が覚めた。
蓮)はぁ...はぁ、なんだよ今の。
俺は飛び起きた。時間は深夜12時を指していた。ベッドのシーツは汗で湿っており、俺の額から汗が頬に伝って行くのが分かった。夢だと分かった時の安堵感が俺を襲い、汗で湿っているベッドに力無く仰向けに倒れた。天井は月明かりで照らされてほんのりと明るかった。ふいに月が気になりカーテンを開けた。
蓮)今夜は十六夜か。
俺はしばらく月を眺めるとカーテンを閉じて一階へと向かった。一階の部屋は真っ暗で誰も居なかった。
蓮)喉が渇いたなぁ、それとなんか食う物ないかな?
俺はコップを一つ取り水道の蛇口を捻り水を入れた。そして入れた水を飲みながら冷蔵庫に向かい、水を飲み干したコップを机の上に置き冷蔵庫の扉を開けた。
中には鈴仙が作ったであろう料理が入っていた。
蓮)うまそう。
鈴仙が作ってくれた料理はローストビーフだった。俺は茶碗いっぱいの白米を電子レンジで温めるとローストビーフに鈴仙の作ってくれた専用のソースをかけて手を合わせた。
蓮)頂きまーす。
そう言い終わると箸を持ち野菜を先にペロリとたいらげた。そして、メインディッシュのローストビーフを食べると口いっぱいに旨みが広がった。
蓮)うめぇ、そういえば朝から何も食って無かったからな。しかも仕事をした後の飯ってのは美味いもんだ。
ほぼ深夜テンションで言っていたため、ずっとニヤケ顔に...ん?笑えない。口角が上がらず笑うことができない。
蓮)疲れてるのか?それともストレス?
と思ったがよくよく思い出したら、サタンと契約した時に代償として怒り以外の感情が無くなる代わりに能力を貰った。
蓮)確か契約した能力がreversal(逆転)だったよな。復活するだけとか言ってたけど、なんか他にも逆転って言うくらいだから裏能力的なのがありそうだけど?今度試してみようかな。
俺はすごい食欲で、あっという間にご飯を食べてしまった。食べ終わった食器を洗おうとしたところで鈴仙が起きて来た。
蓮)あっ、起こしちまった?悪い。
鈴仙)なんだ蓮だったのね。泥棒かと思ったわよ。まぁ、返り討ちにするけど。
蓮)起きて早々、怖いこと言うなよ。あと、料理うまかったよ。ありがとな。
鈴仙)そ、そう?
あからさまに照れると咳払いをしてありがとうと言って来た。てか、今更だけど料理の話しでほとんど文字稼いでるよね?あれこれ、よく考えたら、俺が食レポしただけじゃね?まっ、いっか(全然よくない)とりあえず、早く洗って早く寝よう。
蓮)洗い物してさっさと寝るよ。
鈴仙)うん、分かった。あっ、そうだ!蓮!今日できるだけ早く起きて!
蓮)え?あっ、いいけど。なんで?
鈴仙)蓮に色々と稽古つけてあげる。
蓮)???え?
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