camouflage(擬装)
蓮)本当に申し訳ないんだけど、名前を変えられるか?俺の妹の時もそうだったんだけどそのままだと敵にバレる可能性が...
鈴仙)いいわよ。仕事柄、そんなことはよくあったし、人前では
月城 紅音(つきしろ あかね)って呼んで。
蓮)OK!でも月城って苗字あんまり聞かないな。怪しまれないか心配だけど...
鈴仙)まぁ、自分で言うのは少しナルシストみたいで嫌だけど、顔は整ってはいるから、印象には残るわね。でもこの名前でずっとやって来たし、なんかあっても自衛できるから心配いらないわ
蓮)あっ、自衛で思い出した!
俺は自分の部屋から鈴仙の装備を持ってきた。
蓮)これ、返しておくよ。あとスナイパーライフルに関しては俺の部屋に置いてあるんだけど、ケースのしまい方が分からなくて放置してるから、また時間ある時に来てくれ。
鈴仙)分かったわ。ありがとう!
蓮)とりあえず、学校に行こうか。
鈴仙)あっ、でも転校届け出すのなら前々からの手続きとかが必要に...
蓮)そんな事ならとっくの昔に済ませてるよ。あとは紙出すだけでいいから、俺について来てくれ。学校までの道を紹介するよ。
鈴仙)本当に蓮は仕事が早いわね。驚きだわ。こんな数日で私を仲間にして、しかも学校の手続きに政府に見つからずに逃げる方法も手配済みとはね...
蓮)そんな言うほどの事じゃねぇよ。おっと、そろそろ行こうか。遅刻しちまうからな。
俺と鈴仙は少し急ぎめに学校に向かった。制服は綺のを借りている。背格好が似ていたから着させてみたら、案の定ピッタリだった。
蓮)月城さん。あと少しで学校に着くからね。
月城(鈴仙)〉うん。わかった。
俺たちは学校からあと数百メートルというところでいつも数人のグループに絡まれてしまった。いつもの俺なら無視していたが、今回は鈴仙が近くにいたのも相まって、男どもは鈴仙に釘付けだ。そんな事を考えているうちに時間は刻々と過ぎていく。強行突破するしかないと思い、急いだ。
蓮)悪いな。今はお前らに構ってる時間はないんd...
俺が言い終わる前に男たちは鈴仙を口説き始めた。
男A)ねぇねぇ、君!これからどっか行かない?そんな男より俺たちの方が楽しいよ。
男B)その方がいいよ。逆にあんな男のどこがいいの?w
男C)俺たちの方が喧嘩強いし。
男D)だから遊ぼうよ。絶対楽しいからさ。
鈴仙)は、はぁ
と、流石の鈴仙もこれには嫌気が刺しているのか、呆れ顔をしているのにも関わらず、遊ぼうよなど何度も繰り返す男達に次第にイラつき始めた。
蓮)マジで急いでるから。
と鈴仙の腕を引くと体格のいい男に突き飛ばされて転んでしまった。それを見て、笑う男たちに能力を使いそうになるが、ここで能力を使ってしまうと政府に目をつけられかねない。正直体術だけで何とかしようとしたが、対人戦の戦闘経験のない俺には手加減しながら4対1をするのは無理に等しかった。だが、対人戦に慣れていて、その道のプロが隣いる事を俺はすっかり忘れていた。
鈴仙)すみません。そろそろやめて頂いてもよろしいでしょうか?
男B)お!w俺たちと遊ぶ気になったの?w
男D)こんな男捨てちまえw
鈴仙の声音は明らかに低くなったが、男たちは気づく様子もなく、何故かいけると解釈したのか鈴仙に猛アタックを仕掛けて来た。
男A)もう俺たちといっそのこと付き合おうぜ。
男D)それな。
男C)誰がこのこと付き合えるか選手権しようぜ。
男C)んじゃ、行こっか〜。
と上機嫌な男たちは腕を掴んで鈴仙を連れて行こうとした時、"それは起こった"
鈴仙)何自分たちが強いと思ってんの?
そういうと掴まれてる腕を振り払い、その腕を逆に両手掴み投げ飛ばした。
ドン
男C)ガハッ
と勢いよく地面に叩きつけられ声を上げていた。そしてそれを見た男たちが加勢するも肘で鳩尾を狙われて腹を押さえて倒れ込んだり、画面を思い切り強打されたりで、1人も鈴仙を触れることさえできなかった。
鈴仙)この程度で私を彼女にしたいとかほざいていたのね。あなたたちみたいな雑魚より蓮の方がずっと強いわよ。
男C)うぅ...もうやめてくれ。
男B)謝るから...許してくれ
男たちはそれぞれ攻撃を受けた部位を抑えて倒れ込んでいた。他2人は気絶しているようだった。
蓮)鈴仙少しやりすぎだ。まぁ、今後突っかかってくる事は無さそうだから学校行くか。
正直めっちゃ怖い。高校1年、2年の女子が体格のいい男4人を倒すんだぜ?怖いとしか言いようがない。これから鈴仙を怒らせないようしよう。そう考えながら数百メートルの距離を走った。
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