新たな契りと力

時計)ピッ!ピピピピピピ!


蓮)うーん。ハッ!


俺は飛び起きて時計を止めた。その時の俺は焦って時計を止めたのでスヌーズを押したことに気づかなかった。


蓮)この時計うるせえ。下手したらバレるかもしれないから慎重に静かにやろう。


俺は綺から貰った能力を使えるか確認すると、どからともなく声が聞こえた。


⁇)契離 蓮よ。聞こえるか?この声が聞こえるならば10秒間目を閉じろ。


俺は訳が分からなかったがその声に従い目を閉じた。


⁇)もう目を開けて良いぞ。


俺はそのまま目を開けると病院ではなく雲の上にいた。


『夢の中?』

蓮)なんだこれ!?


⁇)心配することはない。ここは世界の中心、簡単説明すると神や悪魔、妖や伝説上の遺跡や武器までもが存在し、偶像として扱われてきた物たちが住んでいる場所だ。


蓮)そ、そうか。んで、あんたは一体誰なんだ?


⁇)我はアザトース、宇宙を‘創造’した神だ。生前、綺と我で契りを交わしていた。


蓮)宇宙を‘創造’した神様がなんで俺に話しかけてきたんだ?


アザトース)実を言うと契り=契約にバグが発生している。


蓮)??


アザトース)しっかり説明すると、我と契約を交わしていた、綺が契約していない蓮に能力がわたり契約主の綺が死んでしまったことで少し面倒なことになっている。


蓮)なるほど。だけど俺の目的は綺を復活することだ。


アザトース)そのバグのせいで復活は難しいだが能力を持っている蓮に憑依することは可能かもしれない。


俺は少し悩んだが、気絶している中で聞こえた綺の言葉を思い出した。

[記憶の回想]


綺) い...たいよ...助けて...お兄ちゃん。死にたくないよ...お兄ちゃんと一緒にいたかった...


『夢の中?』

蓮)契りを交わします。代償は“俺の両親’’です。


アザトース)契りを交わすと変更はできない。いいな?


蓮)はい、構いません。


アザトースは首を縦に振り手を前に出した。すると俺の下に呪文のような物が描かれそこから鎖のようなものが出てきて俺を縛ると青い火が二つアザトースの元に行ったかと思うと今度は別の所から赤い火が綺のペンダントの中に入って行った。やがて鎖や地面に描かれていた呪文のような物も消えた。


アザトース)契りは成立した。要件はこれだけか?


蓮)まだもう一つだけいいか?強矢の妹の装加さんの病気を治してもらいたいんだ。


アザトース)ならば悪魔界に行くと良い、そこに蓮に興味を抱いている適任の悪魔がいる。しかし悪魔界の行き方は分からぬようだな、送ってやろう。


蓮)わかった、ありがとう。


アザトースはゲートのようなものを開き俺をそのまま送ってくれた。俺が通るとゲートが消えた。よし、悪魔を探すか。


アザトース)にしても本当に合わなくて良かったのか綺?いやオーディン殿。


綺)バレてた?ってオーディンって呼ばないでよ、今の私は綺よ。


アザトース)すまなかった。


綺)でも、危なくなった時だけ蓮を助ける。もしも死にそうになった時だけね。


アザトース)だが、これから蓮の得る能力を見ると綺は必要なくなってしまうのでは?


綺)こういうのは釣りと同じで待つのが肝心なんだから。


アザトース)そうですか。では気長に待ちましょうか。


綺)ええ、そうね


『悪魔界』

蓮)アザトースに言われて来たものの全く見当もつかないな。


俺は途方に暮れ彷徨っていると、後ろから声をかけられた。


⁇)契離 蓮か?


俺は恐る恐る後ろを振り返るとそこにはTHE悪魔みたいな見た目をした奴がいた。


蓮)えっと、アザトースに言われて俺に興味を持っている悪魔がいるから探しているのですが…


⁇)それは我だな。我の名は七つの大罪の1人にして悪魔の王サタンだ。


蓮)えっ?????


ちょっと待てマジか、1番やばい悪魔が俺に興味示してんのかよ。嬉しいような怖いような。


サタン)どうした?我では気に食わなかったか?


蓮)いえ、本当に俺なんかと契りを交わしてくれるんですか?


サタン)あぁ、もちろんだ。むしろ色々な悪魔たちが蓮に興味を示しているよ。


もう内心恐怖で泣きそうになった。


蓮)とにかく契りを交わしましょう。代償は俺の家で…


サタン)いや、代償は蓮の感情と血だ。感情は喜哀楽を頂く。怒りの感情と、蓮と真逆の感情を残しておく。


蓮)え?そんなのでいいんですか?


サタン)構わない。蓮の真逆の感情は戦闘で大きく貢献するだろう。


蓮)お願いします。


俺がそう言うとサタンは俺の指先を切り血を手のひらに乗せると反対の手で俺の頭を掴みそこから何かが抜けていくのを感じた。そしてサタンは手のひらを合わせて中から赤色が無い虹色の地さな玉を飲み込んだ。するとサタンは契りに必要なことは終わったと言い能力と契約内容を話した。


サタン)契約内容としては蓮の友達の妹の病気を治すため喜哀楽を貰う。そしておまけとして新たな能力“reversal’’(逆転)を与える。この能力はどんな事象も逆転させることが出来る能力だ。契約内容と能力の説明は終了だ。reversal(逆転)は使ってみれば分かる能力だから、今度使って見るといい。


蓮)分かった。教えてくれてありがとう。


サタン)ではまた会う日まで


そういうと視界は闇に閉ざされ、気づけば目覚ましのピピピピといううるさい音で看護婦さんが様子を見に来ていた。

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