可能性と代償

俺はカーテンの間からさす光で目覚めた。ダメ元に綺いるか?と声をかけたが全く返答は無かった。気持ちを切り替えようとおもむろに時計を見ると午後2時を指していた。俺はとても驚いた、起きた時刻ではなく戦った日から4日も経っていたからである。まじかよあの日から4日って事は学校もうすぐ終わるじゃん!テスト近いのに4日も寝るとかありえねえ。急がねえと身支度を始めようとしたところで看護婦さんに止められたが、静止を聞かず行こうとしたので看護師さん3人とお医者さんに取り押さえられ、そのまま検査をしに部屋に運ばれた。ちなみに両親らしき人は来ておらず、来たのは2人の高校生しかだけだったようだ。と看護婦さんは言っていた。1人は神楽だろうけどもう1人は強矢かな?また会いに来たら話してみるか。と思いながら検査をしていると3時間ほど経っていた。病室に戻ると5時を示すチャイムが鳴っていた。暇だなぁスマホでも見ようと思い探していると廊下を走る音が聞こえたので何事だと病室から顔を出すと強矢がいた。強矢は一つの病室目掛けて走っていた。俺は強矢の入った病室を覗いて見ると、そこにはスツールの椅子に腰をかけている強矢とベットで横たわっている女の子がいた。


強矢)体調はどうだ?辛くないか?お兄ちゃん、装加(そうか)のためにお菓子買ってきたけどいるか?


と質問責めにして妹の装加?さんを困らせていた。それを見て俺は少し引いたがふぅと息を1つつくと扉を3回ノックして病室に入った。"ん?なんだろうこの違和感?"病室内に入った時に俺は違和感を覚えた。だが、気にしていても仕方がないのでそのまま中に入った。


蓮)失礼するぞ。


強矢)蓮!!怪我は大丈夫なのか?


蓮)あぁ、怪我は問題ない。だが体力はまだ戻っていなくてな、今の体力じゃあ能力を発動させるのが限界だよ。


強矢)そうか...あと妹さんのことお悔やみ申し上げます。


俺は乾いた笑いを漏らしながらいいよと返しているのを装加さんはキョトンとしたように見ていた。だがこの時俺は妹というワードである言葉を思い出した。そういえば綺の能力は5回中3回使ってから2回残ってて、それを俺に新しい時関係の能力と綺の創造する能力を俺に移しながら肉体を代償に数分話していたって言ってたけど、自分の願いってのは一回能力を発動すれば何個も詰め込めるのか?だとしたら綺をこの世に顕現させることができるかも...いや、漫画とかアニメでは死者蘇生はリスクが高いから人の命とかが代償になったりするかもしれないけど、そのついでに装加さんの病気も治せたらいいな。


強矢)どうした?蓮?おーい。


蓮)んっ?あぁ、悪い。考え事しててな。


強矢)おぉ、そうか。それは失礼したな。んで話しを戻すがこいつが俺の妹の...


蓮)装加さんだろ?さっきお前が質問攻めにしてる時に聞こえたよ。


装加)もう、強矢お兄ちゃんは余計なことしすぎ!入院してるのにお菓子なんて食べれるわけないでしょ!しかもどれもポテチとかガムとかばっかりじゃない!


強矢)悪かったよ。機嫌直してくれよ。


と言っていたがこんな強矢を見るのは初めてだった。なんか強矢、某国民的アニメのジ⚪︎イアンに似てるなぁ、とか思いながら正直俺は引いていた。それは置いておいて、強矢に病室の外に誘い、さっき考えていた事を強矢に相談してみた。


蓮)そういうわけで妹さんの病気治せる可能性があるんだがそれには俺個人の判断じゃなくて強矢、お前自身の了承と決定が必要なんだ。


強矢)その代償ってのは何が必要なのか分からないのか?


蓮)あぁ、やってみないと分からない。俺の能力じゃなくて元々綺の能力でそれを受け継いだに過ぎないからな。すまない。


強矢)いや、大丈夫だ教えてくれてありがとう。それとその話しぜひよろしく頼む!!妹を治してやってくれ!!


蓮)そんなに早く決めても大丈夫なのか!?


俺は心底驚いた。こういう時って大体一週間とか最低でも1日は考えるとは思うんだけど。と思っていたがこのあと聞いた話しで俺は納得した。


強矢)実を言うと余命宣告されててな。あと1ヶ月もないんだ。どんな治療を施してももう限界で、医療機器もつけていても意味がないということで全て外された。


病室に入った時の違和感は医療機器が置いてなかったからか。それにしてもあまり流暢にしていられないな。この前の一件で政府にも目をつけられた可能性がある。今日の夜やってみると強矢に伝えて病室に戻った。幸い俺の病室は個室なため、巡回している、看護婦さんに見つからなければ問題ない。もし俺がテストの事で目をつけられていて監視されていたら、身体能力を覚醒させて窓から屋上に行くか。能力を使うことを視野に入れるなら体力を回復しないとなと思い病室に戻ると目覚ましを設定し、そのまま眠りについた。

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