私からあなたへ

俺は手中から刀を創造した。その刀の色は全体的に黒い色をしていた。だがその頃にはXが目の前まで来ていて殴ろうとしている時だった。やばい殴られる!しかし、時計の針が進む音とともにボーンと鳴った。その途端、Xも野次馬で集まっている人も誰も言葉を発さず同じ表情をしたまま固まっていた。


綺)お兄ちゃん。聞こえる?


蓮)綺なのか!?一体何が起きてるんだ!?


綺)私が時を止めたの。間に合って良かった。


蓮)時を操ることができたのか?


綺)私の本当の能力は代償を糧として願いを叶える能力なのこの能力ならSランクも夢じゃないんだけど回数制限があって5回しか使えないの。だからランクはAだったんだけどあと2回使えたんだけどその一回を私の体を代償にお兄ちゃんが危険に晒されたら時を止める能力に使ったの。私が今喋れているのは私が死ぬ直前に自分の命を代償にしてしゃべっているんだけど、元々の命の時間が短かったからこれが最後の会話になるわ。


蓮)そうだったのか。


綺)時間制限付きだから一部を抜粋して話すね。その刀の能力は相手の能力を奪って自分が使えるようになる能力なんだけど、その刀を持っていると能力の情報が望めば流れてくるの、パッと頭に浮かぶ感じ。試しに能力を奪って使ってみるといいわ。


そう促されて能力を使うと真っ黒の刀に紅色の模様が浮き上がり体全体の力が増したように感じた。俺は心の中で能力なんだと問うと頭の中にスゥッと最初から分かっていたかのように浮かんできた。能力は弱ければ弱いほど力が強くなる能力だ。なるほど、だからあんな細い体であんな怪力が出ていたのか。せいぜいCランクといったところか。やっみるか...ってその前に綺に言わないと。


蓮)綺、聞こえるか?


綺)ん?どうしたの?


蓮)綺に謝らなくちゃ...


綺)そんな事はいいの!


蓮)でも、綺を守れなかったし...


綺)お兄ちゃんは自分を責めすぎ!確かに死ぬ時は本当に痛かったけどでもお兄ちゃんを守れて良かったよ。だから自分を責めすぎない事!頑張って!お兄ちゃんならできるよ!!


謝るどころか励まされちゃったな。綺のためにも気持ちを入れ替えてXを殺して見せる。俺は何があっても前に進まなければならないんだ!


蓮)んじゃあ行くか!!


俺は時の止まった世界でとても弱いパンチを繰り出した。すると時は再び動きだし殴ろうとしていたXは後ろに吹き飛び壁に激突した。ドーン!と音がして1秒が経ったのかわからないほどの速度で暗闇に光る紅の眼光は鋭く相手を捉えてXを真っ二つに切り落とした。それとほぼ同時に能力の効果が消えた。周りにXのような気配が消えた。


蓮)はぁ、やっと休息が...とれ...る


俺はそこで視界が闇に閉ざされた。

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