lifting the curse(呪いの解除)

蓮)いってぇ。綺なにすん...だ...よ


俺はその光景みて絶句した。


綺)お兄...ちゃん、逃げて!!


そう言う綺の右脇腹あたりにはXの物であろう鋭い刃物のような物体が刺さっていた。綺は刺された部分を手で覆っているがその目には涙を浮かべていた。


蓮)綺!!逃げられるわけがねぇだろ!!今助ける!!!


俺はそう叫ぶように言うとXに向かって走り出した。だが、走っていたはずなのに吹き飛ばされていた。

バゴン!!と言う打撃音と共に壁にぶつかりバーン!!と言う大きな音をたてた。


蓮)カハッ...息ができな...


俺が言葉を呟く前にXは容赦なく膝蹴りを叩き込み鳩尾に入り、意識遠のいていくが叩き起こされるように殴られ、そのまま地面に頭をぶつけた。その時には言葉話す事も出来ないほど体にダメージ受けていた。


蓮)ク...ソ...


綺)お兄ちゃん!起きて!お兄ちゃん!お兄ちゃん!お兄...


グサ!と言う刺突音がしたかと思うと叫び声が聞こえた。


綺)アガ...ア、アァァァァ!


グチュグチュという肉をえぐる音と叫び声が聞こえたが俺の耳には届かなかった。


綺)い...たいよ...助けて...お兄ちゃん。死にたくないよ...お兄ちゃんと一緒にいたかった...


Xは味を占めたかのように綺の腕や足の骨を折ったり引きちぎったりした。その頃には綺は声をあげるどころか生き絶えていた。だか俺は殴られた痛みで気絶していた。


蓮)うぐ...鳩尾と後頭部が痛むな。うっ...なんだこの匂いと音...は...は?


グチャ、ゴキ、グチュ。俺はXは真っ赤に染まった綺らしき物を玩具のように扱っていた。俺は頭の中で何も考えることができなくなった。唯一言えることは現実として捉えたくなかったと言うことだ。


蓮)はっ、はは、嘘だよな。俺はなんて悪夢見てるんだか、縁起悪いから早く醒めてくれよ。おい、聞こえてるんだろ。俺、早く起きろよ!夢だ!夢だ!夢だ!夢だ!!!


Xは一通り綺の死体で遊ぶと満足した顔で俺の方を向き、不敵な笑みこぼしながら近づいてきた。そんなXをよそに俺は自分に対して後悔を綴っていた。


蓮)俺のせいだ。俺を庇って綺が刺されたから上手く動けずにあんな事に。まただよ!また守れなかった...あっ、あぁぁ、クソ、クソがぁぁぁぁ!!


その時、俺の中で鎖が切れた。もういいよ...全て目覚めたから。


X)!??


その時俺の体を中を鎖が縛っていた。下には黒い模様が描かれていた。


蓮)契りはもう終わりだ。


そう言い放ち俺の体を縛っていた鎖を千切った。そして俺は手始めに能力を解放した。



aweikening(目覚めろ)


そう呟くと身体中からたちまち紅オーラが立ち込めて、左目は真紅に染まった。


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