出会い

能力の無くなった俺は政府に直接諸事情で抜けることを伝えた。実験台が少なくなるのが嫌なのか、俺を止めた。しかし俺の能力が無くなった事を知ると態度が180°変わり、すぐに出ていけ!この事を周りの人間には話すなよといい俺を外に突き飛ばした。その後、俺は両親に能力が無くなった胸を伝えるとヒステリックを起こし、俺を殴り蹴りをした。そして俺は2人から見放された。家での扱いは酷いどころの話しではなかった。自室を物置にすると部屋を追い出され屋根裏部屋で暮らすことを迫られた。ご飯は一応出るがご飯は茶碗の1/3もないほど少なく、おかずもたまにしかでず、時には生野菜と生肉で渡された時もあったほどだ。こんな生活をしていると体調は悪くなり、栄養失調になっていった。一度学校で倒れて救急車を呼ばれかけた事があったが2人の態度は変わることはなかった。そして俺はようやく気づいた。俺を愛していたんじゃなくて、俺のSランクと言う能力とレッテルに対しての愛情だったのだと。


2年後


そして俺は酷い扱いを受け始めてから2年の月日が経ち、小学5年生になった。その頃には周りからは疎外され、俺の周りには誰もいなかった。そんなつまらない日々をリピートしているかのような感覚を覚え始めた。俺はそんな毎日にもなれていた時、"運命的な出会い"をした。

ある日の帰り道、俺は1人で帰路についていた時、"違和感"を覚えた。

蓮 心の声)さっきからつけられている感じがする。俺をつけるメリットはないはずないのに...!?政府の人間か!!


俺はそう心の中で考え、一気に走った。すると後ろからつけてきている奴の足音も早くなった。くっ!相手がどんな能力を持ってるか分からない。なら!!と人通りの多い道へと走った。そして角を曲がり小さな路地に身を隠した。相手は俺を見失い、キョロキョロして俺を探していたが諦めたのかどこかに電話をかけ始めた。距離があって話しの内容は聞き取れないが俺を見失った胸を話しているのだろう。そして数分その場で電話をしたあと立ち去って行った。俺はホッと胸を撫で下ろして再び帰路に着こうと思い始めた時、それは俺の目に入った。路地の奥に人が倒れているのが見えた。俺は恐る恐る近づいた。それは子供で手足は俺よりも細く、風呂も何日も入っていない様子でとてもよがれていた。しかも各箇所に痣のような物がたくさんあったのでその子を抱えて家に向かって、親に説明した。親はとても嫌そうな顔をしたが俺が初めてここまで頼み込んだので渋々受け入れて病院へと連れて行ってくれた。その子は栄養失調で倒れていたところを俺が見つけたらしい。その子を俺たちの家で引き取る事になり俺が基本的に世話をすることになった。

そして俺は開口一番にその子の名前を聞いたが酷く怯えていて何も話してはくれなかった。俺はその子に一言だけ優しい口調で伝えた。

蓮)無理に話さなくても慣れてきてからでも大丈夫だよ。


子供)...


子供は何も言わなかったがほんの少し頷いた。俺はその子を連れて風呂に入った。よく見るとその子は女の子だった。色々な箇所が汚れていたので丁寧に洗ってあげるととても良い顔立ちをしていて、髪色も白色でとても綺麗だった。目の色は青色で奥が透き通って見えた。女の子は洗っている時何故か怖がっていたが俺が体を洗わせてもらうだけだから安心してと言うとコクリと頷き抵抗することなく体を洗い流した。

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