追憶との契り 3/3

女性)最後の依頼は政府にもう関わらないで。政府は表向きでは、外国と協力して犯罪をなくす為の生物を作っていると謳っているけど、実際は自分達で能力者に負けない生物を作ろうと画策しているの。その証拠にわざとX達を逃して一般人と戦わせたり、あなた達のようなSランクたちの人間で実験しているのよ。しかも実験で死んだ人、被害が出た場所は一般人の喧嘩や事故として処理されているわ、しかも全て自分達が悪いような。これ以上関わったらあなたにも被害が及んでしまう!!


蓮)俺が今まで人助けだと思ってやってきたことが間接的に人を殺していたなんて...


俺はこの時、目の前が真っ暗になった、それと同時に今まで信じていた政府に圧倒的殺意を感じた。


女性)あなたは悪くないわ、それにあなたがXを倒さなかったら被害が拡大していたし。


蓮)ありがとう。少し落ち着いた。だが、政府は許せない。必死に戦っている人を実験台にして、絶対に潰してやる!!


俺は政府の本組織がある東京へ向かおうとした。しかし...


女性)ダメよ!


と女性が俺を引っ張り止めた。


蓮)離してください!そんな事する組織がこの世に存在していたらいけないんですよ!!


女性)だとしてもよ!あなたの気持ちは痛いほど分かるわ、でもあの組織は危ない生物だって作っている可能性だってある。それだけじゃないわ、あの組織と関わったら殺される確率の方が高いのよ。もしくは捕らえられて実験台にされるのがオチよ。もう少ししたら政府が来るわ、逃げなさい!


蓮)だとしても!!俺は迎え撃って見せます!


女性)この手は使いたく無かったのだけれど...仕方ないわ。


そう言い放つと俺を掴む女性の手からどこからともなく鎖が現れた。


蓮)何が起きて...


女性)安心して、とは言えないわね。だけどあなたの能力を封じさせてもらうわ。私の能力は契りを交わす能力なの。


蓮)そんな!


この時の俺は絶望した。能力が使え無くなると言う現実に。だが、女性はこう言った。


女性)だけど、あなたの大切な物が壊された時、契りが破られるわ...


蓮)どう言う事か説明して...


俺が言う頃には女性は事切れていた。


俺はそのどこにもやり場のない気持ちを声に出すことしかできなかった。


蓮)なんでこうなるんだよー!!!いつか、絶対に潰してやる!!俺が潰すまで消えるなよ!!


俺はそう叫び、日が上り始めていく遠くの空に向けて歩き出した。

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