追憶との契り 2/3

俺は小手調べに弱めにXを殴ったが


ガギン!!


と耳障りな音が聞こえた。しかも当たった感触は無い。

蓮)くっ!刀で防がれたか。


X)その程度の攻撃で我を葬ろうなどとほざいておったのか、失望じゃ


蓮)お前こそ分かってねぇな。戦闘は最初から本気じゃなくてあとからギア上げていくのが普通だよ。


X)つまらぬ。不快じゃ。一気に肩をつけさせてもらう。


そう言うと刀を構え、一言だけ言い放った。


X)消え失せろ。


無数の斬撃が俺に放たれた。いつもの俺なら容易に避けられたのだが誕生日旅行ではしゃぎ過ぎて疲れが溜まっていて反応が遅れた。

(やばいっ!当たる!!)

と俺は覚悟をした。しかしその斬撃は俺に届くことは無かった。恐る恐る、目を開けると、そこには血を流した女性が立っていた。


蓮)なんで…なんで俺の代わりに!!


女性は色々な箇所から血を流しながら答えた。


女性)当たり前でしょ…大人が責任取らないと、私が蒔いた種は私が摘まないと、顔向けできないでしょ。


X)仕留めきれなかったか。次できm


ゴバーン!!


Xがしゃべる前に俺は拳を本気で振った。その刹那、Xの上半身が消し飛んだ。Xに近づき完全に処分した事を確認すると、俺は自分の立ち回りを大きく反省した。最初から本気でやっていれば良かったのに。クソ!!

心の中でそう呟いていると、満身創痍ながらも女性が話してきた。


女性)あなた...さっき、政府に雇われているって言ってたよね?


蓮)もう喋らないでください!大怪我をしてるんです。今すぐ救急車を...


そう言いかけた時、女性は俺の手を掴み、首横に振った。


女性)今からじゃ、間に合わないし、私はどのみち死ぬ運命だっただけよ。だけど政府とは関わってはいけないわ。あんな残虐非道な組織はこの世から消えなければならないのよ。


蓮)いつも俺たちを守ってくれている政府に対してなんでそんなこというんですか!?


説明が無くこの時は両組織だと思っていた政府を侮辱されたと感じ、俺は少し強めに言ってしまった。


女性)私も政府の人間だったのよ。ゴホッ!


口を手で抑えて咳を受け止めたがその手には血がついていた。もう長くはないだろうと蓮と女性は悟った。


女性)あなたに政府の私からの最後の依頼をするわ。

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