守るべきだった者

先生)実戦訓練中止!!

と慌てたように先生達は戦闘を中止させた。

周りの生徒がザワザワとしている。

30分後・・・

俺と強矢は保健室にいた。

強矢は能力で冷やしていたこともあり、軽い火傷で済んだ。

しかし俺は強矢を庇い、真正面から神楽の攻撃を受けた為、左胸から左腕にかけて大きな火傷を負った。首も少し火傷の跡が残った。

俺と強矢は保健室のベッドで休んでいた。すると唐突に強矢から話して来た。


強矢)なんで、俺なんかを助けた。邪魔だったんだろ?


蓮)何故助けたかって?理由なんて必要か?まぁいい話そう。思い出したくないかもしれないだお前の両親亡くなってたんだってな。それで、1人の妹だけしか後は家族いないんだったよな?しかも、その妹さん...難病なんだろ?なら見捨てられる訳ないだろ。


俺は失礼ながらもそう言った。俺が毛嫌いしていた強矢を助けた1番の理由がそれだ。

強矢は何も言わなかったが俺は続けた。


蓮)妹に助けてもらってばっかの俺を兄としてどうなのかと言う意味で今まで嫌がらせしてたんじゃないのか?だって、守るべきはずの妹に守られるのなんておかしいもんな(笑)


俺は苦笑した。ずっと守っていると思っていた。俺が綺を守っていると思っていた。だがそれは"現実とはかけ離れた偶像"に過ぎなかったと。


蓮)悪いな、お前の秘密をベラベラと語っちまって。代わりに俺の秘密を話してやるよ。俺が幼い頃の話になるんだが、実を言うと俺は昔、"Sランク"だったんだ。こんなこと言っても信じてもらえるか分からないけどよ。


昔の俺のランクは最上位に君臨するSランクだった。ランクを順番に説明すると。

F 能力無しの一般人レベル

E 能力はあるが、一般人レベル

D 能力があるが、一般人より戦えるレベル

C 能力があり、軍人並みに戦えるレベル

B 能力があり、100人分の戦力のレベル

A 1人で軍隊と戦えるレベル

S 1人で国家を相手できるレベル

ちなみに1番多い能力者の数はCランクだ。

Sランクは俺以外に12人しかいない。その中でも俺は稀で能力が2つ使えた。綺も2つ使えるが、能力が2つ使える者は数えても数名しかいないほど希少だ。


強矢)はっ?!お前がか?急に言われても信じれないが、もしそれが本当ならなんでお前は能力を使わないんだよ!しかもなんでランクが最低まで落ちちまったのか理由を話せ!!


『まぁそんな慌てんな。言われなくても話すさ。』と強矢を宥めた。


蓮)じゃあ俺の幼い頃から話そうか。幼い頃の俺は能力を使えると言う自覚がなかったが、強化能力系の能力だったらしく、常時能力を発動していた為、驚異的な身体能力を発揮し色々な人を困らせていた。しかし、その能力を政府に買われ、脱走したモンスターの排除を依頼された。


強矢)話しに割って入って悪いが、脱走したモンスターってなんだ?


蓮)脱走したモンスターってのは言わばたくさんの国が協力して作った人工生物だな。ここからは人工生物のことを面倒臭いからXって呼ぶ事にするわ。話しを戻すが、こいつらもランク付けがされているらしいが俺も詳しい事は知らない。だが、こいつが逃げ出した事で人に被害が及ぶのは確かだった。そしてその研究所から逃げ出した人に被害が及ぶ前にXを狩る仕事だ。簡単に説明すると某ハンターゲームと同じように捉えてくれればいい。そして政府に雇われてからは何匹も処分した。だが、ある時に一般人が襲われているのを目撃した。俺が9歳の誕生日を迎える日と同時に俺が初めて"救えなかった日"となった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る