第2話

「クラッジュリンペさんっておっしゃるんですね」

「え?……あ、はい……!!」

 

 ぼやっとしていたら、深みのある落ち着いた声で名前を呼ばれ我に返った。

 何のことか一瞬理解できなかったが、リルさんの視線がわたしの吊り下げ名札にあるのに気付き、わたしは背筋をピンと伸ばした。


「そうです。あ、でも、皆には“クラッペ”って呼ばれています。長いので……」


 人間がウキウク国に住む場合、ウクー名を付けなければならない。

 わたしは本名が“倉辺鈴樹くらべりんじゅ”というので、それをもじって“クラッジュリンペ”に決めた。

 子供の頃のニックネームが“クラッペ”だったこともあり、呼び名として違和感はなかった。


「じゃあ、“クラッペさん”と呼んでも良いでしょうか?」

「あ、はい、どうぞ……」

 早速、名前を呼ばれてドキドキしていた。

「クラッペさんは人間ですよね?」

「そ、そうです」

「なぜ白に?」

「えっと…………」

 突然の質問に私は少し躊躇した。

 ウクーにしてみたら、なぜ人間がウキウク国に住んでいるのか不思議に思うところだろう。


「あ、急にすみません。答えづらかったらいいですよ。僕の担当のウルリュウ先生が人間だから、人にとって働きやすい環境なのかなと……」

 ウルリュウ先生はわたしと同じく、白センのスタッフとして働いている人間の男性だ。

 歳は43歳と、わたしと年齢が近いこともあって、世間話ができる程度に仲は良かった。


「そうですね。時間に追われることなく働けるのは助かってます。白センは9年目で……ここには23年前に来ました。ウクーの人と結婚したので…………今はもう離婚してますけど……」

 

 白郡の人間比率はそこまで低くなく、白センは全スタッフ14人中3人が人間である。

 しかし、わたし以外は独身で、わたしのようにウクーと結婚して子を迎え、その後離婚しても住み続けるという人間は郡内でも珍しかった。


「じゃあ、今は独り暮らしを?」

「いえ、娘がいます。わたしは人間で元夫がウクーだから、本当なら元夫が引き取ることになるんですけど、どうにか一緒に暮らせるようにしてもらいました」


 両親が離婚すると子供は片親が引き取ることになるのだが、ウクーと人間が父母の場合はウクーにしか子を引き取ることが認められなかった。

 

 けれども、娘は多くの時間をわたしと一緒に過ごしており、生活の変化や精神的負担を小さくするために、元夫に無理を言って娘との同居を許してもらった。

「メツケ役は元夫のままなので……2~3か月に一度、娘の様子を見に学校に来るんですよ」


 人間がウキウク国に住む場合、滞在査証が要る。

 本来なら人間はこの国では排除すべき存在なのだが、滞在査証があれば特別に“準ウクー”として、メハト代わりのメハトリングも貸与され、住民として暮らすことができた。

 

 査証発行の監視者となるのが“メツケ役”で、たいていは、人間を連れてきたウクーが引き受ける。

 

 そうなると、メツケ役には人間の監視責任と監視料の支払いが発生し、もしその人間が国や住民に危害を加えた場合、監視不十分でメツケ役にも罰則が科される。

 重大な事故は起こしたことはないが、日常生活での“うっかり”は結婚当初頻繁にあった。

 

 たとえば、自宅前の道に生えていた雑草を根こそぎ引っこ抜いてしまったとか。

 後から元夫に貴重な草花だと知らされ、わたしはしばらく外出禁止、元夫は罰金を支払うはめになってしまった。


 当時は「まだ不慣れだから」と元夫も寛容だったが、5年も過ぎると次第に「余計なことはしないでくれ」と言うのが口癖になって、わたしもいつもとは違ったことをしようとする前に、毎回元夫の顔色をうかがうという、息苦しさを感じるようにもなっていた。

 

 でも、人間永住反対!!の国なのだから、自国民の安全を守るためにも、自分達と違う生き物が及ぼす影響を考えたら、人間に厳しい制度で当たり前なのかもしれなかった。


「学校って、隣のコドモノ学園ですね」

「はい。今は中等部の3年生です。来年で20歳になるんですけど、生まれつき体も小さくて発達もゆっくりなので、実際は13歳くらいですかね……」

 

 白センは6歳から18歳までの子供達が通う“コドモノ学園”と隣接している。

 いわば小学校から高校までの一貫校だ。

 

 各町の町長の上には“主”と呼ばれる者がいて、白郡の主なら“白さん”という呼称で親しまれている。

 ウォンバットそっくりな見た目で、毎年作るウクーの子供の数は彼女が決めている。

 

 ウクーは女性の腹からは生まれない。

 白さんの住処の庭にある大木にウクーの卵が成り、そこである程度成長したら木から切り離し、白さんの目の届く場所でマモリ役が交代で保育する。

 そして5年程経つと、卵から子供が“誕生”するといわれている。

 

 まるでロボットでも生産しているかのような、ウクー作りの話を聞いた時は頭がクラクラしたが、人間以外の生物では意外とあり得るのかもしれないし、この国では効率的なのだろう。

 ひとつ確かなのは、白さんはウクーの“生みの親”であるということだ。


 そんな神的存在の白さんに、わたしと元夫は「子供を迎えたい」とお願いした。

 ただ、通常生まれた子供は既に5,6歳まで成長しているはずなのに、娘の場合はなぜか小さく、人間でいう3歳くらいの体格と知能しかなかった。

 

 当時のわたしは心配だったが、元夫は「長い間見守っていられるじゃないか」と前向きに捉え、わたしも個人差だろうと思い、気にせずに子育てしてきた。

 

 ところが、3年経っても年齢に適した発達より遅れが見られたため、学校の授業とは別に、“小集団での活動で自己肯定感を高め自立を促す”という白センの先生による特別指導を週2回受けるようになった。


「1人で子育てって大変ですね……」

「そうですね……小さい頃は手がかかりましたけど、今は会話のやり取りもスムーズにできるし、だいぶ楽になりましたよ。まあ、自分なりのこだわりが強い……『これ!!』って決めたら、なかなか他のことに変えようとしない頑固なとこはありますけど。それは徐々に解消されてくかなって……」


「世話係の経験があるんですか?」

「いや、世話係にはなってないんです。子供の話が出た時に、『どうせなら白さんにお願いして、私達の子供を作ってもらおう』ってことで白さんにお願いしました。元夫は経済的に余裕もあって、当時は育児にも意欲的だったので……」


 ウクーの子供は生まれてから約10年間は世話係のウクーに育ててもらう。

 世話係は町で厳選された大人のウクーに通知が送られてくるが強制ではない。

 

 だいたい、子供好きとか面倒見の良い人物が引き受けることが多いらしい。最大で4人まで受け持つことができる。

 関係が良好であれば自分の子供として引き取ることも可能だが、元夫は「夫婦の愛の結晶」に憧れがあったようで、直接白さんに頼んだわけである。


「実際育ててみないとわからないですよね。お金もかかるし……」

「まあ、それは養育費のうちに入ってるので心配ないんです。あと数年で終わりますし……」


 白さんにお願いして子供を迎えるには、いくつか条件がある。

 まず、パートナーと婚姻関係にあるのが前提で、両親のどちらかが300歳以下、就労している、犯罪歴がない――この他、親として相応しいか身辺調査も行われる。

 

これらをクリアしても、お迎え料として20年間毎年、白さんに一定の金額を納めなければならない。


 と、なかなか厳しい条件だが、主――白さんからしてみれば、自分が産んだ子供を大切に育ててほしいので、養親選びに慎重になるのは当然のことだろう。

 

 お迎え料に関しては、元夫が養育費と一緒に支払ってくれている。

 ハニ町の副町長なので安定した収入があり、これまで滞りなくきちんと支払いが行われていた。


「真面目で優しい方なんですね」

「ああ、真面目は真面目ですけど……優しいのかな。娘には優しいですね。“あの子は将来、とてつもない能力を発揮する!”とか親バカモード炸裂してた時もありましたけど……きちんと生活できるように配慮してくれてるので、助かってはいますね……」

「じゃあ、今は幸せですか?」

 その問いにわたしはしばし考えた。


「……胸をはって『幸せです!!』とは言えませんけど……そこそこ幸せな生活を送れてると思います」

「そうですか……」

 一瞬、物悲しそうな表情が垣間見えたが、彼はすぐににこりと微笑み、

「人間の人と話すことって滅多にないので、お話できて良かったです」

 と言った。

「い、いえ……わたしも……ありがとうございます」

 春の華やかさと秋の哀愁を持ち合わせている、神秘的なオーラを放つ人だった。


 近寄りがたい存在だったはずなのに、いつの間にか親しみを覚えつつあった。


(ああ、なんか思ってたよりも普通に話せる人だな……いや、この人の話のふり方が上手いんだ。にしても、良い声してるなあ~)


 わたしは心地良い声にうっとりしていたが、腕時計の針が目に入ると現実に引き戻された。


(あ……!もう授業終わる時間だ。迎えに行かないと!!)


「あの、娘を迎えにいかないといけないので、このへんで……」

 さっと立ち上がるとリルさんも、

「引き止めてしまいすみませんでした」

「いえいえ!!ではまた……」

 お辞儀をしたわたしは小走りで事務室に戻り、デスク周りを片付けて、帰る準備を整えてから部屋を出た。 



 1階の渡り廊下に着くと、扉の窓ガラスから中庭の風景が見えた。

 白センとコドモノ学園を繋ぐ、この渡り廊下は中庭への出入り口でもある。


 緑あふれる中庭は、白セン利用者の人達の休憩や軽食をとる場所として開放されている。

 学校側には滑り台やブランコなどの遊具もあるので、下校時に子供達が遊びに来ることも多かった。


 わたしが扉を開いて廊下に出ると、向いの学校側の扉がちょうど開錠されるところだった。

 白セン側の扉は常に開錠されているが、学校側の扉は下校時刻以外、安全のため施錠されている。

 

 扉が開き切ると5,6人の生徒達が一斉に出てきた。

 その中でも、ひときわ明るいピンク色の半袖Tシャツを着た女の子と目が合った。

 娘のコンソメだ。

 

 コンソメは手を振って元気よく走って来るなり、

「ママ~!!え~い!コンソメパ~ンチ!!」

「ぶふー!!」

 いきなりわたしの左頬に強烈なパンチを繰り出した。

「こらっ!!人にパンチしないの!!」

「え~痛くないでしょ~?」

 ぷう、と両頬を膨らませた。

 

 マッシュルームのようにころんとしたシルエットの黒茶ショートヘアの少女。

 来年1月には20歳になるというのに、まだまだあどけなさが残っている。

 自宅や白センではいつもやんちゃで、特に母には手加減することがない。

 

 わたしとコンソメが話していると、前から薄ラベンダー色のスクラブ――首元がVネックになった半袖服と黒パンツスタイルの女性がやって来た。


「お疲れさま~~」

「あ、ハユキ先生、ありがとう」

「どういたしまして~」

 

 くりっとした碧色の瞳が愛らしいハユキ先生だ。

 見た目は23,24歳くらいで、今日は艶やかな銀鼠色の髪をハーフアップにしていた。

 普段は白センの相談員として勤務しているが、週3回、コドモノ学園で子供達を対象に特別授業を行っている。

 おおらかで頼もしい性格ゆえ、わたしとは馬が合うので、お互いため口で喋れる仲だった。


「今日もコンソメちゃん、元気いっぱいやったで。問題にも積極的に手を挙げて、しっかり答えてたし、かっこええとこ見せてくれたよ」

「それはすごいなあ~」

 わたしは照れるコンソメの頭をなでなでした。

 

 ハユキ先生はカンサイ口調で喋る。

 その昔、知り合いの人間がカンサイ弁で、それが移ってしまったらしい。でも、こてこてのカンサイ弁というよりは、やわらかい、ほわっとした感じの喋り方で聞き取りやすかった。


「コン、もうすぐ大人だからね!!」

 えっへんと胸を張るコンソメ。

 その様子をほほえましく見ていたハユキ先生は、わたしの背後に目を向けると碧色の瞳を丸くした。


「どうしたの?」

「リルさんがいる」

「えっ!?」

 わたしが振り返ると、数メートル先にリルさんが立っていた。

 そしてこちらへ歩いて来ると、

「久しぶり、ハユキちゃん」

 と、ハユキ先生に話しかけた。


「こんにちは。お久しぶりです……って何回か顔見てるけど。面と向かって話すのは何年ぶりやろ……うちが6歳くらいの頃やったから110年ぶりかな」

「110年……!?」

 まるで、つい数年前のことを言うかのような口ぶりに、わたしは時間感覚がぶっ飛びそうになった。

 わたしなんて3日前の行動も忘れているのに。


「そういえば、ハユキ先生、リルさんと知り合いなんだよね」

 以前に、2人が知り合いというのは聞いていたが、同じ橙郡出身ということ以外は詳しく知らなかった。

「うん。彼の職場とうちが通う学校が近かったから。近くに公園もあって、皆で遊びに行くと、たまに会うことも多かったんや」

 わたしに言ってからハユキ先生はリルさんに尋ねた。

「中庭で寛いでたんですか?」

「うん。本を読んでたら2人の姿が見えたんだ」

 まだわたしの脳内が混乱している中、ハユキ先生とリルさんはお互い懐かしそうに話していた。


「全然変わらんようで……」

「ハユキちゃんは、ますます綺麗になったね」

「あはははは……子供達に若いパワーもろてるからかな。いや、毎日くたくたです」

「充実してるってことじゃないか」

「やりがいはある仕事ですけど」

「そっか。それにしても白にいたなんて驚いたよ」

「子供の頃、うちも白センにお世話になってて、先生達に良くしてもらったから、うちもここで働けたらなあって……今は楽しく働かせてもろてます」

「いいね。無理せず自分らしくいられるのが一番だよ」

「ですね~」

 ハユキ先生は「あはは~」と笑っていた。


 大人達のやり取りを黙ってじーっと見ていたコンソメは、

「このお兄さん誰?ママの彼氏?」

「ちゃうわ」

 突拍子もないことを口にしたので、わたしは反射的にカンサイ弁で返してしまった。

「ここの利用者さん。さっきロビーで会ったの。事務長さん達とお話してたんだよ」

「へ~そうなんだあ」

「オノオさんも好きやな……」

 

 ハユキ先生が呆れ返っているのは、事務長のオノオさんは暇があると親しい利用者のおばさま方を集め、井戸端会議で盛り上がっているからだ。


「はあ~おなかすいたよう……今日の晩御飯は何?」

 コンソメがお腹をさすった。

「う~ん、まだ決めてないけど、魚にしようかな」

「え~お肉がいい~」

「昨日、ハンバーグカレー食べたでしょ」

「続けてでもいいじゃん。おいしいよ、お肉。唐揚げ食べたい。ちょっとだけでいいからさ~作ってよぅ~」

 肉推しする娘にわたしは口を尖らせた。

「バランスよく食べないと病気になっちゃうよ」

 と言いつつ、ウクーにとって偏食が病気の原因となるのかは定かではなかった。

 

 というのも、ウクーは決まった時間に食事をとる習慣がないからだ。

 正確に言うと、数日は食べなくても生きていける体の構造になっている。

 それでも近年のウキウク国では、ちょくちょく国を抜け出してニホン国へ行き、こっそり飲み食いしているウクーもいるらしい。


 “人間の食べ物は過剰摂取しなければ悪影響が出ない”という確証を得たおかげで、“食”への関心が高まり、趣味の1つとして楽しむ人達も増えたため、町内にスーパーマーケットも建てられたくらいだ。


 ニホン国と違って、生魚や生肉はほとんど取り扱わず、野菜も種類が微妙に違って迷う時もあるが、故郷に住んでいた時とほぼ同じ食材で料理できるのは助かっていた。


 たいていのウクーは軽食が中心だが、わたしは毎日料理をしているせいか、娘もすっかり舌が肥え、1日3食とることが習慣になっていた。


「じゃあ、抱っこしてよ~」

 メニュー変更を諦めたコンソメは、今度は何故か抱っこを要求してきた。

「え?何で?しかも、ここで?……ってか、重たいからムリ」

「抱っこ~!!」

 わたしの腕を掴んで駄々をこねる姿は小さい子供のようだった。


 そのやり取りを見かねてか、

「抱っこしようか……?」

 リルさんがコンソメの前にすっとしゃがんだが、コンソメは固まってしまい、わたしのTシャツの裾をきゅっと握り、後ろに隠れてしまった。


「すみません、この子、人見知りで……初めて会う人には特に」

「いいよ、気にしないで。見知らぬ人にいきなり抱っこされるなんて怖いもんね」

「そうなの……?」

 わたしは振り返ってコンソメの反応を確かめた。


 借りてきた猫状態の彼女は、わたしとリルさんの顔を交互に見て、もじもじしていた。

 普段は陽気なのに、初対面の人や慣れない場所では急に大人しくなり、母にしがみついて離れられないということが多々あった。


(抱っこしてもらいたけど、恥ずかしいのか……)

 白センの利用者、母の知り合いということで、警戒はしていないはずなのだが、自分の要求を言ってもいいのかどうか迷っているようだった。


「言わないとわからないよ」

「………抱っこしてほしい」

 わたしが促すとコンソメは小さな声で言った。

「うん、わかった」

 わたしは彼女の頭を撫でてから、リルさんの前まで連れて行くと、彼はさっとコンソメを横に抱きかかえて、すっと立ち上がった。


(お姫様抱っこか~~!!パパにもされたことないのに…………)

 ”王子様がお姫様を抱きかかえる”シチュエーションにわたしは仰天していた。

 コンソメの場合、”お姫様”というより”やんちゃ娘”といったほうが当てはまるが。


「ぐるぐるして~!!」

 と、調子に乗ってきた彼女は注文までつけてきた。

 リルさんがリクエスト通りに、軽やかに体をぐるんぐるんと回転させる度に、コンソメはゲラゲラと大笑いしていた。


「はあ~よう目回らんな」

「うん……」

 じっと眺めていたハユキ先生の呟きに、わたしも同感だった。


(細身なのにどこからあんな力が湧いてくるの……?)


 声を上げて無邪気にはしゃぐ娘の傍ら、わたしはリルさんの体を心配していた。

 いくら通常の13歳の体格とはいえ、35kgはある子供を抱っこして回るなんて、わたしが同じことをしたら秒で腰を痛めるだろう。


 とか考えているうちに、コンソメは気が済んだらしく、床に下ろしてもらい「ありがとう~!!」とお礼を述べていた。


「すみません、重いのに……痛いところないですか?」

「大丈夫ですよ」

 やせ我慢をしている様子もなく、涼やかな顔で微笑んだ。

「じゃあ、帰ろうか」

「うん!!」

 満足したコンソメの手を取ったわたしは、リルさんとハユキ先生に挨拶をして帰った。

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