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次の休日。サンタさんの家に、ミアは来ていませんでした。
「ミアは?」
「今日は来ないそうだよ」
「ふーん。じゃ、今日の助手はおれ一人ってわけ」
「そうじゃ。さて、仕事にかかるぞ」
「うん⋯⋯ねぇ、サンタさん」
「なんじゃ?」
「ミアと仲直りしないと、家に帰さないって、ほんと?」
「本当じゃよ」
サンタさんはあっさりとうなずきました。
「クリスマスイブには、この三人でおもちゃを配りに行くからね」
「どういうこと?」
ヒロトには、よく意味が分かりません。
「理由は二つあるのじゃよ」
「二つ?」
「まず、一つ目。助手同士の仲が悪いと、仕事に差し支えるからじゃ」
「二つ目は?」
「このままお別れすると、きっと二人は後悔するからじゃ」
「後悔⋯⋯」
ヒロトはつぶやきました。
その瞬間、ミアとの思い出が頭の中を駆け巡りました。そのうちに、ヒロトは頭が冷えてきました。
「⋯⋯おれ、ミアと仲直りする。ケンカしたままさよならなんて、絶対に嫌だ」
「そうじゃな。わしらが次に集まるのはクリスマスイブじゃから、仲直りはその日にするといいよ」
「うん、ありがとう!」
ヒロトがうなずくと、サンタさんは仕事を始めました。
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