第4話:遊星のこと私の彼氏だって認めてますよ。
「いずれ帰っちゃうって?・・・」
「じゃ〜なんで俺に勾玉渡したんだよ・・・あれって大事なもんなんだろ?」
「それとも神の国に帰っても俺が呪文唱えたら来てくれるの?」
「あ、そうでした・・・なにげなく大事な勾玉を遊星に渡しちゃってましたね」
「そうですね・・・勾玉を渡したあの日から遊星は私の召喚者になったの
忘れてました」
「だったらいいです、向こうには帰りませんから」
「勾玉を渡した以上、召喚者のほうが優先ですからね」
「え?じゃ〜神の国に帰らないの?」
「まあ、帰ったとしてもとうぶん先の話です」
「10月の神在祭の時くらいでしょうか」
神々が出雲大社の摂社「上の宮(仮宮)」に滞在される7日間、私たちは「神議り」が終わるまで神の国から出てはいけないことになってるんです。
「その時は神在祭がはじまる前に一時的に神の国に帰りますけど・・・」
「それより彼氏が勾玉持ってる限り、彼氏のところに留まらなくちゃね」
「え?、今、彼氏って言った?・・・「彼氏って??」」
「だって、私に勾玉を持った遊星が一度呪文唱えて私を呼びだしちゃって
るんですもん・・・」
「召喚者の呼び出しに一度でも応えちゃったら私はその人に従うしかないでしょ?」
「なるほどね」
「でも・・・遊月ちゃんが俺に従うって言ってもそれって召喚するものと
召喚されるものの決まりごとみたいなもんなの?」
「強制的ってことであって愛情からの結びつきじゃないんだよね?」
「そんなことないですよ・・・私、遊星のこと私の彼氏だって認めてますよ」
「う・・・うそ〜〜〜〜〜」
「いつから?・・・それいつから?、どの時点で?」
「さっき」
「遊星が私のこと《片思いかもしれないけど俺、誰にも負けないくらい君のこと
好きだよ》って言われた時、私のハートがキュンってなっちゃったの・・・」
「そんな涙が出そうなこと言われちゃうとね・・・」
「あ〜・・・そうなんだ・・・」
「じゃ〜・・・これからは上品ぶって敬語なんかやめて恋人どうしみたいに
タメグチでいこう、遊月ちゃん」
「さ、早く朝ご飯食べて・・・」
「今日も学校あるんでしよ」
「俺・・・今日、学校休む・・・勉強なんかしてられないっつうの」
「どうせ学校へ行っても勉強なんかしてないくせに・・・」
つづく。
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