第5話 ロボットと魔物の関係
この世界には主に二つの脅威が存在する。
ダンジョンから溢れ出す魔物と。
ロボットとそのロボットによって作られる巣だ。
魔物はモンスターカードとして人間に恩恵をもたらし、ロボットは超能力者によって支配下に置かれることによりその恩恵を享受することが出来る。
私はこの町で最大規模を誇るロボットの巣へと来ていた。
ロボットの巣とは、ロボットが生産される場所である。
過去人間に叛意を持ったロボット達がその勢力圏を広げる為に生み出したものがロボットの巣と呼ばれている。
その為、ロボットの巣はダンジョン同様に至る所に存在している。
人間は魔物とロボットという悪意によってその生存権を狭めているが、それと同時に彼等を活用することで、生活範囲を維持しているのだ。
私はロボットの巣に入ると同時にエレキネシスを使用し片端からロボットを支配下に置き、ロボットの巣を攻略していった。
この時支配下に置いたロボット達の損耗率などお構いなしに突き進んだ。
何故この様な事をしているのかというと、ある一定以上のランク=強さをもつ魔物やロボットは人々が暮らす領域に近づくことが困難になるからである。
つまり、ダンジョンや巣の浅いところに居る魔物やロボットは弱い存在が殆どであると言うことだ。
では、なぜこの様なことになっているのかというと、過去人間種族が開発した白曜と呼ばれる機械のお陰であった。
この機械は悪意のある魔物やロボットを遠ざける効果のある装置で、しかもその力が強ければ強い程に相手への影響力を強めるという破格の機械であるのだ。
だが、この白曜の制作方法は既に失われている。
現在では、何故かダンジョンやロボットの巣から出土する宝箱から手に入れるしか方法がないため、人間種族は中々その生存範囲を広げられない状況であったのだ。
勿論人間も何もしていないわけではない。
白曜程ではないにしろ、それに近しい効果を持った道具を作りだしては居る。
だが、それらは一時凌ぎ程度や、野営で活用される程度の効果の低いものだったのだ。
エレキネシスによりロボットを支配してそのロボットを使用してロボットを倒す。
そして、損耗したらさらにエレキネシスを使用しロボットを支配して先に進む。
私が何故この様な手法をとっているのかというと、ロボットは金(マター)食い虫だからである。
ロボットの燃料はお金=マターである。
詰りロボットが活動するためには常にマターを補充していなければならないのだ。
だからと言ってマターの掛らない魔物の方が優位であるというわけでもない。
この世界では魔物のカードを出現させる能力があるものと、エレキネシスでロボットを支配下に置けるものはそれ程多くなく、しかも魔物とロボット両方を使役できる存在は本当に極僅かだからである。
詰り私のような存在は非常に貴重な存在であると言うことを、街で聞き耳を立てることで情報を入手しているのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます