第11話
西暦2136年 7月 東京
久々の外!新鮮な空気!クソみたいな人混み!
いや〜久しぶりにダンジョンの外に出たけど、見るもの全てが懐かしく感じる。とはいえ、俺はこれからハンター見習い 清田 勝として生きていかねばならない。というわけで、清田くん寮生らしいからハンター養成学校へレッツゴー!
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日本ハンター養成学校 東京校
いやー、ノリと勢いで来ちゃったよ。それにしても清田くん、俺の想像以上のコミュ障だったぽいんだよねー……デフォが無言みたいな男だと俺もボロを出さずに済むから、楽でいいんだけどさ。だって、ハンター学校付いてから、挨拶返しただけで驚かれるし、”喋れたの君!?”みたいな反応されるしで、途中から”俺喋らなくていいやつだ〜”って脳死してたからね?ん〜、でも拷問の時は結構良い声出てけどな〜人体って不思議だね………
そんなわけで清田くんから拝借した服と通行手形のおかげでダンジョンから脱出できただけでなく、ハンター学校にも余裕で侵入できている。顔は違うけど、清田くんは髪を伸ばしていて目が隠れていたから、俺も髪を似たような感じにすれば問題なし!これが実は意外とバレないんだよね〜それにボッチくんのことちゃんと見てる人なんて少ないだろうし。
それで、これからの動きだけど、どうしよっかな〜セフレに会いに行こーって言っても彼女、ヒーロー養成学校生なんだよね〜割と近場だからすぐ会いに行けるけど、出来れば1人のタイミングを狙いたいよね……
「いっそのことハンター養成学校を辞めて、ストーカーしてみるか……?それからどうするか決めるか……今も彼氏いるのか気になるし。」
普通に犯罪だが、なんの躊躇いもなくストーカすることを決めた俺は、すぐに退学するための手続きをして、荷物をまとめてハンター養成学校を出ていった。
翌日〜
ハンター養成学校を退学した俺だが、さすがにまたホームレスになるわけには行かないので、住み込みで働けるバイトを探していた。個人的には仕事サボりたいから、閑古鳥が鳴いてる喫茶店なんかベストだ。
まぁ、そんなあからさまに趣味でしてます的な店があるわけ………
ないと思ってたんだけどな〜ちょっと渋めで穴場ですよーって感じの喫茶店。しかも、店長に住み込みで働きたいって言ったら二つ返事でオーケーしてくれたし。思わず”は?”って言っちゃったよ。で、店長に理由を聞くと
「まぁ、ここは僕の趣味で開いててね、ちなみに本業はちゃんとしてるけど、ここの経営に収入を注ぎ込んでいるんだよ。君のバイト代くらいだったら余裕で払えるから、そこら辺は心配しなくていいよ。二階に空き部屋もあるからそこを使ってもらえればいいし、僕の仕事の都合で開店を決めてたから、君を雇えば毎日店を開けれるしで、僕にとっても大歓迎なんだよ」
とのことで、夢見てるのかなと思うぐらいに都合よくいって思わず殺しそうになったけど、さすがに根性で止めた。さすがに僕がこれから、拠点とするところでトラブルが露見するのは避けたい。常連がいるのだから、
あっ、そういえばストーキングの方法だけど、俺の異能力『闇』で遠隔操作して覗き見とか出来ないかな〜って思って試行錯誤したらなんか出来ちゃったから、それでいこうと思う。これだったら、仕事しながらでもストーカーできる……まさしく一石二鳥!うんうん、よきよき。
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西暦2136年 7月 東京 日本ヒーロー養成学校 東京校
「なーんか視線を感じるのよね、最近。ねぇ、美穂どう思う?」
最近新たにできた悩みを私、天坂 菜緒は親友の
「んん〜?いつも男子たちが菜緒のこと見てるけど、それとは違うの?」
「たぶん………私の感覚だけど、人っていう感じじゃないっていうか、ちょっと不気味なのよね。」
「えー、それはなんか怖いわね。と、こ、ろ、で彼氏の内海くんとはどこまでヤッたの?」
「……へ?えぇーと、その、キスまで……」
「きゃー!どっちからしたの!?」
謎の視線の相談に誘っただけなのに、と思いながらも美穂の質問に恥ずかしくなりつつも答えていた。
結局2人で日が落ちるまで恋バナをしてしまった私達は、学校内にあるカフェから移動して寮に向かった。
その時、また視線を感じたため、振り返ったが背後には誰もいなかった。気のせいかな?と思いつつも、感じた視線にずっと抱いている既視感が私を不気味にさせていた。
私は思い出したくない記憶がその視線から蘇るため、早いところ解決したいのだが、4月から付き合っている彼氏の蓮夜くんを心配させたくないという思いもあって、親友に相談するだけに留めていた。
だが、私は1週間後、この選択をとても後悔することになる。もし蓮夜くんに嫌われても、”あの事”を話していたら、なにか変わっていたのかもしれない。もっとも、あの悪魔みたいな男にはこんなこと関係無かったのかもしれないが……
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