ディスられて
そして公園につくなり一年生の女の子は、
「それで、奈留実サマと幼馴染っていうのは本当なんですか?」
とじっとオレをマジマジとみた。
…奈留実サマって。
「あぁ、本当だよ。」
「幼馴染だから、奈留実サマの全てを知っていらっしゃるのですよね⁉︎なぜ、ならなぜ別れてしまったのですか⁈やっぱりあなたがヨソの女性に手を出したからですよねっ⁈そうなんですよねっ⁉︎ウワサでは、あなたが元カレだとうかがいましたよっ‼︎」
と、すごい圧できましたよ…。
ヨソの女性って…やっぱり莉央さんのことを言っているんだろうな。
「あー…のー…、手を出して別れを切り出されたってわけじゃないんだよなー…。」
「えっ?じゃあ、あなたが…あなたがまさか奈留実サマをふった…んですか…?ヨソの女性がよくなって…⁇」
と、今度はなぜかかなしい目をしてきた。
…
うーん。なんて言えばいいんだろか。
両思いで付き合ったっていうよりもオレは奈留実を助けたいって気持ちで付き合っているフリをしたまでで…。
「まぁ…オレが頼りなかったってことなのかもしれないな。」
…
お互いベンチに座って公園の砂を見つめた。
この状況って…いったいなに⁈
なんなのっ⁇
…
「奈留実サマは、素敵です。」
えっ⁉︎いきなりなんだ⁉︎
「奈留実サマは、わたしを救ってくださいました。」
あぁ、奈留実がこの子になにかしてあげたんだ。
だからこの子は、奈留実を慕っているのか。
「だからっ、だからわたし…奈留実サマの幸せを願いたく…そう思っていた矢先、元カレと言われるあなたが、別の女性とイチャイチャしていて…奈留実サマがフラれたと思い、あなたを許せなかったのです。」
「あぁ、なるほど…」
「でも、ただの幼馴染であなたが不甲斐なくフラれたのなら、なんかそれはそれで納得いたしました。フラれた腹いせってやつですよねー。」
と伸びをする女の子。
…なんか、なんか…オレめっちゃディスられてない⁇
別にフラれた腹いせで莉央さんとイチャイチャしているわけじゃなくて…莉央さんがグイグイくるから断れないっていうか…断っても断ってもくるっていうか…
静電気で手についた紙切れが離れてくれないもどかしさ…みたいなさ…。
まぁ、莉央さんとは静電気みたいにビリビリ電流流れる愛ってわけじゃないし…そこまでの強力な静電気じゃなくてさって…なにをオレはいいわけみたいなことを心でネチネチとしといるんだ…。
まったく…。
まぁ、でも少しだけ誤解が解けてよかった…のかな?とおもわれるのでありました。
続く。
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