出だしから最悪

 奈留実への気持ちに気づいたオレ…。

 

 でもさ、どうしたらいいんだろうね?

 奈留実は、一応元カノだけど…奈留実自体そもそもオレを好きで付き合ってたわけじゃないんだもんね。

 

 …なんならオレは奈留実を助けるために偽装彼氏になったのに、なんの役にも立たないで終わってしまったんだもんな…。

 

 ダメダメ彼氏…

 

 でも…できるならここからは、挽回致したい‼︎

 

 …しかし、どうやって好きになってもらえばいいのだろうか。

 

 …

 

 あと…生徒会選ばれるかな。

 

 

 休み時間ふとボーッとしているといつも莉央さんが現れる。

 

 …

 

 莉央さん…って相変わらず距離が近いんだよねー…。

 

 

「ねぇ、みっち〜。わたしたち生徒会選ばれたら毎日一緒だね♡」

 なんてニコニコしてくるんだよね…。

 

 それはちょっと迷惑かも…。

 しかも、みっちーって…。

 

 でも、奈留実がいてくれたらそれでいっか。

 

 

 そして、その数日後生徒会に選ばれた人がついに決まった。

 

 立候補者は、九名いた。

 

 そして、選ばれるのは五名。

 

 手に汗握り、ゴクリと息を呑んだ。

 

 …

 

 どうかお願いします。

 

 パッと顔を上げると、奈留実の名前が目に飛び込んできた。

 

 おーっ、奈留実ー‼︎おめでとう‼︎と心の中で喜んだ。

 

 で…オレは…あったーー‼︎

 

 よかったー…。

 

 まぁ、莉央さんと蒼梧の名前もありましたけどね。

 想定内だから驚きもせずって感じだったんですけどね。

 

 そして、もう一人須々木すすきくんという男子が選ばれて、この五人の二年生が生徒会のメンバーとなるのでありました。

 

 

 

 

 顔合わせの日は、緊張した。

 

 久人に奈留実と会えるから。

 

 

 そして、生徒会室に入ろうとしたらいきなり莉央さんがオレの腕を掴んできた。

 

「おっ、…莉央さん。離してよ」

「いやよ♡一緒に入りましょ♡」

「あのさー…」

 

「コホン。」

 

 後ろから咳払いが聞こえて振り向くと、須々木くんが立っていた。

 

「あなた方、イチャイチャするならもっと別のところでお願いします、ほら、この通り後ろが詰まってございます。」

 と言いながらメガネをクイっとあげた。

 

 …イチャイチャじゃないけど…

 

「あ、すいませんっした。」

 と謝ったとき、須々木くんの後ろに奈留実もいた。

 

 

 出だしから最悪だった。

 

 …

 

 続く。

 

 

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