演説

 演説…

 

 

 あー、緊張する!かと思いきや、むしろワクワクしてきた。

 

 そして、順番に演説が始まった。

 

 

 立候補者は、結構いたのでオレの順番はまだまだだ。

 

 蒼梧は、意外と女子からイケメンと言われていて人気があり、なかなかよい雰囲気で演説を終えた。

 

 そして莉央さんも去年から生徒会をやっているだけあって堂々と演説をしていた。

 

 そして奈留実は、どうなるのだろうと自分の演説よりもドキドキ手に汗握りじっとオレは演説を聞いた。

 

 そして奈留実は、もう卒業してしまった前会長さんの話をしていた。

 

 どうやら前会長は、極力困っている人がいたら話しかけて、だれにでも親切に寄り添ってくださるおかただったようだ。

 

 奈留実もそんな前会長に手を差し伸べていただいた一員だったらしい。

 

 だから生徒会室からまえ、出てきたのか。

 

 そういえば、オレもよく気さくに話しかけてもらってたな。

 

 前会長は、ただ美人なだけじゃなかったのだと改めてわかる。

 

 

 そんなそれぞれの演説のなか、オレの番となった。

 

 オレは、事前に作文用紙にありきたりな無難な言葉を並べて書いておいた。

 

 それをただただ読むだけだから余裕‼︎なんて思っていたのだが…

 

 実際に演説台に立つと…

 

 オレは作文用紙を広げることすらしなかった。

 

 なんだか、みなさんがオレの事を一生懸命真っ直ぐ見てくれていることに感銘して、みんなと毎日素敵な学校生活を送りたい‼︎心からそう思い、この学校をどうしたらもっとより良くできるか、生徒会に入り生徒会のメンバー、そして先生方、さらには生徒全員で力を合わせより良い、素晴らしい学校を築き上げたい‼︎と強く願っております‼︎と、熱く語ってしまった。

 

 ついスイッチが入ってしまった…。

 

 なので、つい…

 

 あと、恋も全力でみなさんの応援いたします‼︎と付け加えてしまいました。

 

「いいぞー、神さまー‼︎」

 と声援をいただいたので、オレは調子に乗って、

「みなさんと同時に自分の恋にも全力でまいります‼︎どうぞ宜しくお願いします‼︎」

 と宣言して奈留実の方をみた。

 

 すると、目を丸くして驚いた顔でオレをみた奈留実。

 

 オレが奈留実にニコッとすると、奈留実は、動揺した顔をしたと思ったら、慌てて目を逸らした。

 

 なんか、公開告白みたいになっちゃったかな?

 

 まぁ、それでもオレは構わない。

 

 オレは気づいてしまった。

 

 

 奈留実が大好きなんだと。

 

 

 

 続く。

 

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