顔合わせ
そして生徒会の顔合わせ。
…莉央さんと奈留実は、大丈夫なのだろうか…。
とりあえず全体の顔合わせが開始され、今年の生徒会長も去年同様に美人なのです。
なぜこの学校の生徒会長は、皆女性…?そしてなぜ皆美少女⁇と疑問に思っていたが、とにかく顔合わせは、無事に終了した。
で、帰ろうとしたら奈留実と莉央さんが昇降口で鉢合わせしてしまった。
まぁ、そりゃ解散時間が同じなのだからそういうこともあるけどさ…。
…
莉央さんは、奈留実をじっと鋭い目つきで見ていた。
無言の圧…
…
…奈留実大丈夫かなって思ったその瞬間、奈留実は、いきなりとびきりの笑顔で
「莉央さん、これから一年間よろしくね!」
と笑顔で莉央さんの圧を跳ね返した。
奈留実…すげーな。
奈留実すげーよ‼︎と、オレは心の中で拍手喝采だった。
圧に押しつぶされない強さをオレも見習いたいと心底思った。
奈留実のまさかの反応に驚いていた莉央さんだったが、莉央さんも莉央さんで
「う、うん。そうね!よろしく‼︎」
と挨拶返しをしていた。
二人って…仲がいいのか悪いのかいまいちわからない微妙な関係性…。
莉央さんは、帰ろうとしていたけど…どうやら去年から生徒会をやっているので先輩方からのお呼び出しがあったようだ。
莉央さんがまた生徒会室に戻って行った。
莉央さんがいないから今日は、邪魔が入らない。
チャンス‼︎
「奈留実、ひさびさに一緒に帰ろ?」
とオレは思い切って奈留実を誘ってみた。
「えっ、あー…でも莉央さんは?」
「そもそも、オレたち付き合ってるとか噂されてるけど、付き合ってないから。」
「あ、そうなんだ…」
「うん。」
そしてオレたちは、久しぶりに並んで歩いた。
「奈留実がまさか生徒会に入るなんてオレ夢にも思ってなかったからびっくりだったわ」
と奈留実の方を見ると奈留実は、
「あー、わたしもはじめは…不順な動機でボランティア入ってさ…で、生徒会もさ…前会長の勧めでね。でもボランティア入っていろんなこと学んでさ、だから生徒会入ってもっといろんなこと学びたいなって思ったんだ」
と教えてくれた。
たしかにオレも莉央さんに勧められてボランティア入ってみたけど、意外と楽しいんだよな。
「生徒会頑張ろうな。」
「うんっ‼︎」
あー、ひさびさのオレへ向けられた奈留実の笑顔。
それはそれはお日様よりも眩しいくらい素敵で輝いていたのをオレはずっと忘れないだろう。
それにしても奈留実…なんかどんどん綺麗になっていくなぁ。
オレが彼氏役やらせてもらっていたのが夢のようだわ…。
続く。
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