第57話
ひとまず、クローバー畑に向かうことにした一行は、ゆっくりとまた歩きだした。自然と横列になっていて、リトルブルーとライアン、その後ろにノノとモクレンの並びで歩いていく。
天気の話が終わって、訓練の話に移り変わった時、クローバー畑にたどり着いた。
薄い緑のクローバーが一面に広がっていて、それはそれは優しい色あいだった。
四人はクローバーの畑で腰を下ろす。リトルブルーとモクレンが草で冠をつくりだすところを、ライアンは微笑ましげに見守っていた。するとノノがライアンに話しかけた。
「俺さ、酒飲んだら暴言吐いちまうんだ。りっちゃんにも、ひどいこと言ってしまったみたいでさ。だけど、本当に思ってたことじゃないんだよ」
ライアンは細い目をした。
沈黙が痛々しく広がる。
「……いいや、実は本当に思ってたことだったよ。りっちゃんは、誰にも愛されないから、せめて俺が愛してやろうって思ってた」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます