第57話

ひとまず、クローバー畑に向かうことにした一行は、ゆっくりとまた歩きだした。自然と横列になっていて、リトルブルーとライアン、その後ろにノノとモクレンの並びで歩いていく。

 天気の話が終わって、訓練の話に移り変わった時、クローバー畑にたどり着いた。

 薄い緑のクローバーが一面に広がっていて、それはそれは優しい色あいだった。

四人はクローバーの畑で腰を下ろす。リトルブルーとモクレンが草で冠をつくりだすところを、ライアンは微笑ましげに見守っていた。するとノノがライアンに話しかけた。

「俺さ、酒飲んだら暴言吐いちまうんだ。りっちゃんにも、ひどいこと言ってしまったみたいでさ。だけど、本当に思ってたことじゃないんだよ」

ライアンは細い目をした。

沈黙が痛々しく広がる。

「……いいや、実は本当に思ってたことだったよ。りっちゃんは、誰にも愛されないから、せめて俺が愛してやろうって思ってた」

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