第55話
ライアンはそれに気づくとあからさまに嫌な顔をして、足を速めた。
「なんだよぉ、そんなに急がなくても良いだろ?」
ノノはライアンに追いついて、その肩をパシっと叩いた。フレンドリーなただずまいだった。
二人はやってくると、リトルブルーを見た。
「偶然だねえ、りっちゃん。このかたはお友達?」
その時、ノノを見るモクレンの胸に熱い気持ちが溢れた。
「この方はモクレンさんです」
モクレンは思わず胸を押さえた。実の所、彼女のタイプだったのだ。茶色い髪も、どこか気怠げな、何かを諦めているような瞳も。身長も顔も声も、モクレンの好みだった。
「モクレンさん?」
ぼうっとしているとリトルブルーに話しかけられ、モクレンは無理矢理笑顔を作った。
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