第51話
雨が強くなる前に帰らなければならない。あまりゆっくりしていると、ラベンダー川が増水して家に帰れなくなってしまう。
「あの、私そろそろ」
まだ心臓の音がやかましい。リトルブルーは扉に手をかける。しかしそれは阻まれる。ライアンがいつの間にかそばにきていて、扉を押さえた。
そこに言葉はなかった。ただリトルブルーは、ライアンの青い瞳の奥に眠る、小さなオアシスのような寂しさを見つけてしまった。そこには誰もいない、リトルブルー以外は。
この人は人を愛するということを、知らないのだ。リトルブルーは察した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます