第50話
扉がぎしりと音を立てた。頬に集中していた熱がめぐって、頭から足の先にまで広がってくる。心臓が喉から飛び出してしまいそうだ。
その時、ぽたりと外から音がした。それはだんだん大きくなって、しばらく経ってからやっと二人は、雨が降りだしたのだと理解した。
雨の涼しさが、二人の熱を一瞬で覚ましてしまったかのようだった。二人は近すぎた距離を今初めて認識し、ますます顔を赤らめて離れた。
「あ、すまない。服を着るのを忘れていた」
ライアンは青地のシンプルな服を頭から被った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます