第45話

「…リトルブルー?」

上の方から声がする。

思わず叫び声が出てしまった。嫌われた,終わりだ。不法侵入で訴えられるか,それでなくてももう私の恋は終わった。 

 咄嗟に弁解しようと振り返った時,彼女を更なる衝撃が襲う。この人、上の服を着ていない。

ライアンは、ちょうど風呂上がりだった。

「ちょうどいい、一つ聞きたいことがあるんだが…」

彼の均一な筋肉美は、目を背けてしまうほど眩しかった。目のやり場に困ってばっと両目を覆ったリトルブルーは,一刻も早くこの場所から立ち去りたいと願う。しかし緊張やら何やらの諸々の感情で混乱して,足が動かない。まるで生き地獄だ!

「あ、ぅ、あ」

声にならないうめきしか出てこなくてリトルブルーは気の毒なほど赤面する。

それに追い打ちをかけるかのように、ライアンは真っ直ぐに尋ねた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る